2024年03月31日

執筆者名雪祐平

Photo by Francesco Ungaro on Unsplash

きわ、あいまい 「猿と人間」

あなたは、ほぼ、チンパンジー。

人間のDNAの98.4%は、
チンパンジーとまったく同じ。

何が人間で、何が人間でないのか?
道具、言語、文化……どれも人間の特権ではない。
人間のほうが勝手に、境界を決めているだけ。

二足で歩きはじめ、いま、宇宙まで飛ぶ。
火を使いはじめ、いま、原子力まで操る。
テクノロジーだけは進み、
人間は人間と争いを止めない。

愚かだね。
滅びるね。
チンパンジーにそう笑われないように、
もっとアタマを使え、人間。

2024年03月31日

執筆者名雪祐平

Photo by Ben Klewais on Unsplash

きわ、あいまい 「昼と夜」

夕方は昼でもあり、夜でもある
あいまいさ。

「黄昏」の語源は、
大和言葉の「誰そ彼(誰だあれは)」。
だんだん、人影も見えづらい時間帯。
奇怪なことも起こりそうな気配。

薄暗い水辺は、ひとさらい。
こどもが消える。
昔は、妖怪の仕業と怖れられた。

おうちに帰ろう。
美しくも怪しい、マジックアワー。

2024年03月31日

執筆者名雪祐平

Photo by Jan (Arny) Messersmith

きわ、あいまい 「美と醜」

美しい。
醜い。
その境界はどこ?

何十人もの顔をコンピューター合成すると、
平均顔ができあがる。
これが、美人。

もし、整形美人が似てくるとしたら、
平均顔のように、
典型的な美しさへの憧れなのだろうか。

でも、平均顔が失ってしまった、
個性が美しい顔もある。

ところで、鏡よ鏡よ鏡さん、
わたし、美人?

2024年03月31日

執筆者名雪祐平

きわ、あいまい 「この世とあの世」

この世でも
あの世でもないところ、
その世。

その世には、希望がある。
鎌倉時代、親鸞はそう説いた。

あの世だけに極楽浄土があるなら、
この世を大事にしない。
逆に、
この世ばかり大事にすれば、
あの世のことなど考えなくなる。

まずい。

二つの世界の中間、
その世に行けてはじめて、
人間の境地はひらける。
それはどこ?

その世へ、いってらっしゃい。

2024年03月31日

執筆者名雪祐平

Photo by Bruno Braga on Unsplash

きわ、あいまい 「国と国」

日本のパスポートは、雄弁。
まず、外国への要請文がある。

 日本国民である本旅券の所持人を
 通路故障なく旅行させ……

でもなぜ、パスポートがいるのか?

かつて、アフリカの森から冒険に出た
わたしたちは、
この地球上を果てしなく移動できた。

国家はない。
国境もない。
ただの自由があった。

地球は、誰のものだろう?
パスポートは……だんまり。

2024年03月31日

執筆者名雪祐平

Photo by Emmanuel Palmer on Unsplash

きわ、あいまい 「偽物と本物」

この声は、AIによる自動音声です。

いいえ、わたしの本物の声です。

どちらを信じますか?

生身の人間の声で吹きこんできた、
全1531回。
ありがとう。これが最終回です。

あなたの人生に
最高のMOMENTがありますように。
さようなら。

2024年03月30日

執筆者大友美有紀

川のはじまり 「東京の川たち」

東京には107の河川がある。
合計距離、約858km。
その川たちは4つの水系からなる。
荒川水系、
利根川水系、
多摩川水系、
鶴見川水系。

川たちのはじまりは、
山梨、そして北関東の山々。
多摩丘陵や関東平野を下り、
海にたどり着き、川はそこで終わる。

春になったら、川がはじまる場所に
会いに行きたい。

2024年03月30日

執筆者大友美有紀

Photo by BehBeh

川のはじまり 「利根川水系」

利根川の源は、
群馬県利根郡みなかみ町の
大水上山(おおみなかみやま)
その流域は、群馬県、栃木県、茨城県、
埼玉県、東京都、千葉県。
そして銚子から太平洋へと流れ出る。

東京に流れる利根川水系の川は、
旧江戸川を含めて九本。
かつては、蛇行する川も多かった。
江戸川放水路が完成し、
今ではほとんどの川に
人の手が入っている。

自然と共存する、人の知恵だ。

2024年03月30日

執筆者大友美有紀

Photo by ping Lin

川のはじまり 「荒川水系」

荒川の源は、秩父山地の甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)
渓谷を下り支流を集め、
東京に入ると荒川は隅田川と分岐し、
放水路となり、東京湾にいたる。

荒川、隅田川につながる下町の水路は、
もちろん荒川系の川たち。
小平市、練馬区を流れる石神井川や、
東京の中心を流れる神田川も、
荒川水系の支流だ。

下町の風情ある風景と
東京郊外の田園地帯、
都心のビル群の間を流れる川。
同じ水系なのに多様な水辺の景色。
巡ってみたくなる。

2024年03月30日

執筆者大友美有紀

Photo by MASA KUROFUNE

川のはじまり 「鶴見川水系」

鶴見川の源は東京都町田市上小山田町。
多摩丘陵を下り、川崎市を流れ、
京浜工業地帯、鶴見地区から東京湾に流れ出る。

住宅街をゆるやかに流れる、
暮らしのそばにある川だ。
川に沿うようにサイクリングロードが
整備されている。
かつて水質が悪い川もあったけれど、
今では鳥や魚、昆虫の姿も
見られるようになった。

流域の形が動物のバクに似ていると、
親しまれてもいる。