2022年09月04日仲澤南 Photo by Universalmuseum Joanneumかき氷と文芸 Kakigori昭和の時代に活躍した作家・円地文子(えんちふみこ)は、その名も『氷』というエッセイでかき氷を食べる喜びを記している。ソーダ水やシロップに氷を入れて食べることに、この上ない満足を感じていたのだそうだ。当時、かき氷には関東と関西で違いがあって関東風は、文子のようにシロップに氷をのせたものだった。今も東京下町の甘味処では、昔ながらの関東風かき氷が並ぶ。冷たい誘惑、かき氷夏の名残りが歯にしみる。