2022年10月22日澁江俊一 Photo by *雪華川の流れと文学 『罪を流す川』行く川の流れに、人は何を重ねてきたか。京都、木屋町を流れる高瀬川桜の名所で知られる、江戸時代の物流用の運河である。罪を犯した罪人もまたこの川で運ばれていった。森鴎外の短編小説「高瀬舟」は弟殺しの重罪を犯した男と それを護送する役人の物語。 弟を殺した男の顔はなぜかとても晴れやかで幸せそうだった。善や悪では割り切れない罪をのせて小さな船は夜の水面を流れていく。