2023年01月07日佐藤理人 「ウォーリス・バッジ」 初エジプト大英博物館の考古学者ウォーリス・バッジが、初めてエジプトを訪れたのは1886年。文化遺産の買い付けが任務だった。それらの国外持ち出しは法律で禁じられていたが、エジプトの博物館の管理体制は杜撰だった。ナイル川の影響で湿度が高く、ミイラを入れたケースは、内側に水滴が流れ落ち、ガラスが割れていた。エジプトの文化遺産は、大英博物館で適切に保管すべきだ。バッジが抱いた信念は、終生揺らぐことはなかった。