2023年07月29日
波多野三代
〜夏の音〜 ラムネの音
炎天下、汗をかいた冷たい瓶に
ビー玉が落ちる音が響く。
ラムネのビー玉。
その名前の由来には諸説あることをご存じだろうか。
ラムネの語源はレモネード。
日本に入り、なまって「ラムネ」になった。
そしてビー玉の名の由来だが、
これにはふたつの説がある。
一つはポルトガル語でガラスを意味する「ビードロ」が変化したという説。。
もう一つはABCのBという説だ。
ガラス玉で栓をするラムネの原理を発明したのはイギリスのハイラム・コッド。
当初、炭酸飲料はコルクで栓をしていたので、
隙間から二酸化炭素が抜けてしまっていた。
試行錯誤の結果、炭酸が出ようとする力を利用して
内側からガラス玉製の栓を押し上げる方法が考えられた。
少しでもガラス玉に傷や歪みがあればそこから炭酸は抜けてゆく。
なので「ラムネ専用」のガラス玉を作り、規格をクリアしたものを「A玉」と呼び、
合格しなかった「B玉」を、おもちゃとして子どもたちに売り出した。
それが広まった、というのだ。
今となっては確認のしようもないが、
眩い陽の光に透けるガラス玉を眺めながら
その由来に思いを馳せるのも悪くない。
ちなみに、ラムネを日本に持ってきたのはペリーだった。
ビー玉を押し込み、ポンと音が鳴った時。
お侍さんたちは鉄砲と間違え、一瞬刀に手をかけたそうだ。
〜夏の音〜