2023年08月05日
廣瀬大
相棒 #7
相棒がいること。
それこそが奇跡を起こす最大の秘訣。
「パルプ・フィクション」で世界中を驚かせ、
以降、話題作を次々に生み出し続けている
映画監督クエンティン・タランティーノ。
彼が監督デビューするきっかけをつくったのは、
あるパーティーで偶然、出会った、
まだ駆け出しのプロデューサー、ローレンス・ベンダーだった。
冷静で、計画性に長けているベンダー。
感情的で、すぐに熱くなるタランティーノ。
二人はまさに陰と陽の関係だが、
出会ってすぐに意気投合する。
脚本は完成しつつあるが、後援者が見つからない。
映画制作の目処が立たず、監督への道が開けない。
そんなフラストレーションを貯めるタランティーノ。
チャンスは突然やってきた。
元々、俳優志望だったベンダー。
当時、通っていた演技の教室のコーチに、
タランティーノの書いた「レザボア・ドッグス」の脚本を見せた。
コーチは言う。
「誰でも好きに選んでいいなら、主演は誰にしたい?」
ベンダーは言う。
「絶対に、ハーヴェイ・カイテルだな」
コーチは言う。
「そうか! 彼は私の妻と知り合いだよ」
脚本はコーチから、彼の妻、そして、
すでに名俳優となっていたハーヴェイ・カイテルの元にわたり、
プロジェクトは一気に動き始める。
そしてそこから20年以上に渡り、二人は一緒に映画をつくり続けることになる。