2023年10月21日
波多野三代
〜秋の祭り〜
ハロウィン
今年もハロウィンがやってくる。
今でこそ世界共通となっている
カボチャのランタン「ジャック・オ・ランタン」は
その昔、カブだった。
アイルランドの伝説によると
ある村にジャックと呼ばれるゴロツキがいた。
ジャックは悪事とお酒が大好き。魂を奪おうとする悪魔までもだまし、
「永遠に魂は奪わせない」という約束を取り付ける。
死後、天国に行けなかった彼は地獄に向かうが
魂が悪魔のものにならない、という契約から地獄でも出入り禁止に。
どこにも行けないジャックは、落ちていたカブに
悪魔からお情けでもらった火を灯し、
彷徨い続けることになったという。
このカブのランタンが、今のジャック・オ・ランタンの起源だ。
意味は「ランタンを持ったジャック」
この伝説は、人々がアメリカに渡る時、一緒についていった。
故人の白い頭蓋骨を模している、とも言われるカブは
いつしかアメリカの大地で作られるカボチャに変わった。
荒野で根付き、人々が飢えを凌いだ食べ物が、カボチャだったのだ。
秋は、生きる糧となる実りを想い、感謝する祭りの季節。
彷徨えるジャックはいつしか海を渡り、
オレンジ色の暖かい光となって世界中の戸口に憩っている。
〜秋の祭り〜