Team MOMENT

2023年11月18日

執筆者小林慎一

Photo by Daniel Olah on Unsplash

恐竜の化石は語る #7

6千6百万年前に隕石が衝突し、恐竜は滅んだ。
それが、哺乳類の時代の幕開けとなった。



宇宙空間のほんの少しの揺らぎで、隕石は衝突しなかったかもしれない。
まったく別の日に衝突したかもしれない。

古生物学者ケネス・ラコバラが発掘した
巨大恐竜ドレッドノータスの骨は、
7千7百万年もの長い間土に埋まっていた。



ドレッドノータスを恐れ、岩の隙間に縮こまって生きていた
ネズミのような哺乳類の子孫が

知恵のある生物に進化し、その骨を発掘し、
3Dレーザースキャンを使い、その姿を復元する。

誰が、このような未来を想像しただろうか?



私たち生物の歴史は

無限にある分岐点をひとつひとつ通りながら、ここに辿りついている。

ひとつの道が選ばれることが奇跡であり、
その奇跡が無限に積み重なって今がある。

家よりも巨大な恐竜がいた時代。

自動車のような大きさのダンゴムシがいた時代。

ワシのようなトンボがいた時代。それはみな実際にあった歴史だ。



現代は、6回目の大量絶滅期を迎えている。
それは、人類の活動によって生み出されている。



恐竜は、巨大隕石が来ることを知らなかった。

どう対処していいか知らなかった。



ケネス・ラコバラは、こう講演を締めくくった。

私たちは、恐竜と違い、対策をするという未来を選ぶことができる。
それこそが人類がすべき選択なのです。

執筆 小林慎一

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