2023年12月03日仲澤南 甘党 芥川龍之介 「侍と芋粥」芥川龍之介の小説、『芋粥』。平凡な侍の、「芋粥を飽きるほど飲んでみたい」という欲望から話は始まる。この芋粥、いわゆる芋の粥ではない。使うのは、さつまいもではなく山芋だ。山芋をツル草の蜜で煮たもので、お粥というよりデザートに近い。甘いものは好きだが、とろろは嫌いだった芥川。主人公の欲望は、芥川の欲望か、果たして。