2024年01月27日
村山覚
天賦の才・モーツァルト #5
赤ん坊が「パパ」「ママ」という言葉を
早い段階で発音するのは、
唇が心地よいからだという説がある。
たしかに、パピプペポやマミムメモは声に出したくなるし、
耳にも心地よい。
古今東西の音楽家や詩人、そしてコピーライターも、
破裂音や濁音を好んで用いる。
パパパという音で思い浮かぶのは、
モーツァルトが晩年に作曲したオペラ『魔笛』。
パパゲーノとパパゲーナという登場人物が歌い上げる
「パパパの二重唱」では合計244回もパが登場するそうだ。
モーツァルトは言葉遊びの天才でもあった。
数多く残されている手紙のなかから、
友人のジャカン宛に書いたものを紹介しよう。
「僕たちは馬車の中で新しい名前を考えたんだ。
たとえば僕はプンキティティティ、
妻はシャブラ・プムファ。
最愛なるヒンキティ・ホンキィへ。これが君の名前だよ」
さすがは、メロディとリズムの天才。
きょうは自称プンキティティティ、こと、
モーツァルトの誕生日。