2023年07月(76)
-
旅の荷物 「フランシスコピサロ」
2023年07月08日
15世紀後半。フランシスコ・ピサロは、スペイン南部の街に生まれた。私生児として生まれた彼は、ろくな教育も受けず、文字も読めないまま兵士となる。厳しい環境から抜け出すため、己の才覚だけで、将軍にまで成… 続きを読む
-
銀河鉄道の星めぐり 「マゼラン星雲」
2023年07月02日
銀河鉄道の夢が醒めようとしていた。 地平線の向こうから、青白い狼煙が上がり列車の中が明るくなった。 ジョバンニは叫んだ。 「ああ、マジェラン星雲だ」 天の川がみるみる遠ざかる… 続きを読む
-
銀河鉄道の星めぐり 「暗黒星雲」
2023年07月02日
「あ、あすこ石炭袋だよ。そらの孔だよ」 カムパネルラが指差したのは、天の川に口を開けた大きな真っ暗な穴だった。 のぞいても何も見えず、ただ目がしんしんと痛むだけだった。 銀河鉄道の… 続きを読む
-
銀河鉄道の星めぐり 「南十字星」
2023年07月02日
銀河鉄道は星々をめぐりながら、南へ向かっている。 天の川から突き出た一本の木のように、あらゆる光を散りばめた十字架が立って輝いていた。 列車はため息と祈りの声に満ちていた、 南十字… 続きを読む
-
銀河鉄道の星めぐり 「蠍の火」
2023年07月02日
銀河鉄道は走る。 川の向こう岸が赤くなった。 サソリの火だった。 たくさんの虫の命を奪って生きてきたサソリが死を目の前にして、次のときはみんなの幸せのために、自分のからだをお使いく… 続きを読む
-
銀河鉄道の星めぐり 「双子の星のお宮」
2023年07月02日
銀河鉄道はアルビレオを後にして、さらに南へ向かっている。 鷲座の停車場と、もうひとつの停車場を過ぎると、双子の星のお宮があった。 水晶でできたような小さなお宮がふたつ。 けれど、双… 続きを読む
-
銀河鉄道の星めぐり 「アルビレオ」
2023年07月02日
銀河鉄道の線路は天の川の左の岸に沿って南へ南へと延びていた。 やがて川の真ん中に黒い大きな建物が見えてきた。 アルビレオの観測所だった。 その屋根の上にはサファイアとトパーズの大き… 続きを読む
-
銀河鉄道の星めぐり 「北十字星」
2023年07月02日
「ごとごとごとごと」 銀河鉄道はどこまでも走る。 やがて銀河の流れの真ん中に、青白く光る島が見えてきた。 島には白い十字架が静かに立っていた。 白鳥座の北十字星だ。 (… 続きを読む
-
銀河鉄道の星めぐり 「銀河ステーション」
2023年07月02日
星祭りの日。 ジョバンニは学校で銀河について習った。 「天の川が本当に川だと考えるなら、 その一つ一つの小さな星は、 みんなその川の底の砂や砂利の粒にも当たるわけです」 その夜… 続きを読む
-
富士山 「水墨画」
2023年07月01日
富士山が描かれた水墨画と言えば、「富士三保清見寺図」。室町時代の水墨画家、雪舟等楊の作品とされている。三保の松原越しに見える富士山という構図は、後世の作品に多大な影響を与えたそうだ。富士山の山頂は、… 続きを読む