2022年06月25日
波多野三代
〜作家のLoveletter〜 夏目漱石
夏目漱石は気難しい。
ロンドン留学中に送った妻への手紙も、素直ではない。
日本に帰った楽しみを書けば、「蕎麦を食うこと」
妻と娘の写真を見れば「滑稽な顔」。
そんな手紙の中に、
一言だけ、本音が紛れているものがある。
「おれの様な不人情なものでも
しきりに御前が恋しい。これだけは奇特と云つて
褒めて貰わなければならぬ」
100通を超える手紙の数々は
素直になれない文豪が、留学期間をかけて書いた
長い長いLoveletter。
〜作家のLoveletter〜