2022年07月17日
黒松理穂
海のはなし マグリットの「海」
画家マグリットの作品に、こんな題名の絵がある。
「テーブル、海、果物」
あなたは、どんな絵を想像するだろうか。
描かれているのは、恐らく誰も想像しない、木の葉と、バターと、壺。
この3つが並んだ絵に、
マグリットは「テーブル、海、果物」という題名をつけたのだ。
彼は、言葉とイメージは違うものだと考えていた。
私たちは、「海」と言われると、誰もが同じイメージを
共有しているように思う。
しかし今、あなたが思い描く海は、あなたにしか作り出せない、
たった一つの海なのだ。