2022年09月04日仲澤南 Photo by K Λ X I I Iかき氷と文芸 六つの花江戸時代に詠まれたという川柳のひとつ、「六つの花 五つの花の 御献上」。六つの花は雪の結晶から氷を意味し、五つの花は加賀藩主前田家の家紋だった。氷が貴重だった当時、加賀藩は夏になると氷室で保管していた氷を江戸の将軍に献上していたのだ。片道500km近い道のりをたった4日で運んでも溶け残る氷はほんのわずか。ため息が出るほどの貴重品だった。冷たい誘惑、かき氷夏の名残りが歯にしみる。