2022年09月10日
長谷川智子
ウクライナ料理 ウクライナの熱
野菜や肉を、焼く、ゆでる、煮込む。
ウクライナ料理は
熱で、食材の風味を高める。
「熱の料理」、といわれることもある。
これは中世のウクライナ料理が
長い時間をかけて煮込まれていたことによるらしいが、
その伝統は今に受け継がれ
豊富な調味料の助けを借りて
さらに洗練されたものになっている。
この地獲れる麦や野菜、キノコ、豆やハーブ、
家畜の牛、豚、鶏肉、
野生の動物や、川魚、
なんでも火にかけて、スープ、お粥、シチューに。
そして、
アジアの蕎麦、
インドのなすや、きゅうり
南米のトマト、じゃがいも、とうもろこし。
古くからシルクロードの中継点だったウクライナには
ヨーロッパとアジアの食文化が集まってきたに違いない。
世界のうまいものもみんな、ひとつの鍋で熱して、
さらにおいしい料理に変えていく。
ウクライナの人の情熱が作った、ウクライナ料理。
世界を受け入れ、いっしょに未来をつくる。
その熱い思い、
おいしい料理とともに、今こそ世界へ広がってほしい。