2022年10月15日
長谷川智子
きのこの日 カトリーヌ・メディシス
カトリーヌ・ド・メディシスはそのとき14歳。
イタリアのリッチな銀行家の娘が、
フランスの王子の元に嫁入りをする。
その時、イタリアの食習慣や文化もフランスに伝わった、
と言われている。
たとえば、フォークや食器、
ジャムやケーキ、アイスクリーム、
そしてあの、独特の香りを放つキノコトリュフも。
王族や貴族にあなどられないように、
カトリーヌは、イタリアから連れてきたシェフに料理を作らせ、
贅を尽くした晩餐会を開く。
フランス人を驚かせた数々の料理の中でも、
ひときわ目立ったのはトリュフ。
淡泊な味わいと鮮烈な香りは、一度体験したら忘れられない。
フランス人たち、すっかり魔法のキノコの虜。
イタリアから買い求めようとするもの。
国中手を尽くして探そうとするもの。
みんな競って手に入れようとした。
そして肉料理に、卵料理にと
トリュフを使った様々な料理の名品が生まれる。
今では、トリュフはフランス料理を代表する食材。
この秋も、高価なキノコのふくよかな香りに
世界中のグルメが魅了される。
10月15日 今日はキノコの日。