2022年10月22日
田中真輝
川の流れと文学 『冥界に続く川』
行く川の流れに、人は何を重ねてきたか。
その鐘の音を聞いた者は、次の瞬間、
冥界へと続く川の流れに身を浸している。
オーストラリアの作家
ガース・ニクスが紡ぐ物語「サブリエル」は、
死を司る7つのハンドベルを携えた主人公が
活躍するダーク・ファンタジー。
その中で描かれるのが、
冥界に向かって滔々と流れる川。
鐘の音によって深い眠りについた者は
正邪の違いなく皆、
流れに乗って冥界へと落ちていく。
その流れは、
呪いでもあり、福音でもあるのだ。