2022年11月13日
蛭田瑞穂
秋惜しむ 秋の日は釣瓶落とし
秋分の日は太陽が秋分点を通過する日で、
昼と夜がちょうど同じ長さになる。
そして秋分の日を過ぎると昼の時間が短くなっていく。
その短くなる様を表現したのが、
「秋の日は釣瓶落とし」という慣用句。
「釣瓶」とは井戸にある、滑車のついた桶のこと。
桶を井戸の底に落とし、滑車で水を汲み上げる。
まるで桶が落ちるように、あっという間に日が落ちる。
誰が言い始めたのかはわからないが、
なかなか巧い例えに思える。
実際、東京の日没時刻を調べてみると、
春から夏にかけて日はゆっくり長くなっていくが、
夏から秋にかけては急激に短くなる。
秋の日は釣瓶落とし。
短くなる日が名残惜しい。