2022年12月11日
波多野三代
冬のはなし 〜冬の寒さが作る保存食〜
アンデス地方には古代から作られてきた
フリーズドライの保存食がある。
冬、じゃがいもを地面に並べておくと
夜には芯まで凍る。
夜が明けると今度は太陽で解凍される。
その繰り返しでじゃがいもは柔らかくなり、
水が滲み出てくるようになる。
ギュッギュと踏み、水分を絞り出して
天然のフリーズドライが施されたじゃがいもは
チューニョと呼ばれ、愛されてきた。
地元のことわざにはこんな言葉がある。
「チューニョのないスープなんて、愛のない人生のようなもの。」
〜冬のはなし〜