2023年01月07日
佐藤理人
「ウォーリス・バッジ」 いちばん欲しかったもの
エジプトから4万点の文化遺産を盗んだ、
大英博物館の考古学者ウォーリス・バッジ。
文化財の保護が目的とはいえ、
その違法なやり口は、イギリス国内でも非難を浴びた。
1892年、彼の活動はついに国会で追及を受ける。
しかし政府はバッジを支持した。それもそのはず。
高官たちは皆、大英博物館の理事会メンバーだった。
イギリスは偉大な国であり、文化遺産を持ち出して、
展示する資格がある。政府はすべてを知りながら、
国ぐるみで黙認していたのだった。
1920年、バッジは功績を認められ、
ナイトの称号を与えられた。