2023年01月28日
澁江俊一
創造的な逸脱 『権力からの逸脱』
逸脱すれば、世界が拓ける。
身分に関係なく、農民や百姓であっても
茶碗一つで参加できるという
前代未聞の大茶会
「北野大茶湯(きたのおおちゃのゆ)」。
当時権力の絶頂だった豊臣秀吉が
自ら茶を振る舞う場に、誰でも参加できるという
前例のない一大イベントだった。
しかし10日間行われる予定が
わずか1日で終了。
その理由は諸説あり、今も明らかになっていない。
参加者は800名ほどと言われている。
多いと見るか?少ないと見るか?
この日、秀吉に次ぐNo.2の座で
人々に茶を振る舞い続けたのは千利休。
一見すると秀吉の権力自慢の場でありながら
身分を超えて誰もが平等に茶を楽しめる
利休の理想がそこにあった。
権力から、茶を解き放つ。
のちに伝説となる「北野大茶湯」を
秀吉以上にしたたかに利用したのは
利休だったのかもしれない。