2023年03月26日佐野光宏 春のはなし 「桜鯛」昔から鯛は縁起の良い魚とされる。桜の時期に旬を迎える桜鯛は産卵に備えしっかり栄養を蓄えて桜色に染まった真鯛の呼び名だ。谷崎潤一郎の「細雪」には京都の花見のくだりで鯛の話が出てくる。妻にいちばん好きな魚をたずねたら即座に「鯛」という答えが返ってきた。好きな花はもちろん桜。花は桜、魚は鯛なのである。