2023年04月23日新井奈生 音楽の話 #4十九世紀以降の近代化によって、イスラム世界の国々でも五線譜を用いた音楽教育が行われるようになった。しかしルールは時に混乱を生む。五線譜の概念では「音が下に行く」と言えば低い音になることを意味するが、イスラムの弦楽器では「音が下に行く」と言われると下の弦を押さえてしまい、高い音が出てしまう。この世に完璧など存在しない。異なる文化にぶつけた瞬間、ルールに穴が見えてくる。