2023年04月23日
新井奈生
音楽の話 #6
「アラベスク」とは、
「アラブ様式の」という意味のフランス語で、
元々は美術の装飾模様を指していたのだが、
やがて西洋文化の各所で使われるようになった。
バレエにおいて「アラベスク」とは、
片足で立ち、もう片足をまっすぐ後ろに伸ばしたポーズである。
シューマンやドビュッシーも、
曲の表題に「アラベスク」を使っているが、
なにか特定の様式を指すわけではなく、
幻想的であったり装飾的であったり・・・
というイメージに由来するようだ。
アラブ世界に対する、西洋の憧れの眼差し。
そんな瞬間が、言葉の中から窺える。