Team MOMENT

2023年06月03日

執筆者廣瀬大

Photo by Gorup de Besanez

#7

デザイナー、俳優、エッセイストなどさまざまな顔を持つ伊丹十三監督。
「お葬式」「タンポポ」「マルサの女」などのヒット作により
映画監督としての顔が有名だが、
意外にも映画監督としてのキャリアをスタートさせたのは遅く、
51歳のとき。

映画監督伊丹万作の長男として生まれた伊丹十三は、
商業デザイナーとしてキャリアを歩むも、
ヨーロッパ旅行後、伊丹一三の名前で俳優デビュー。
日本映画だけでなく海外の映画や、TVドラマに出演しながら、
エッセイストとしても活動。TV番組の制作も手掛けた。

映画監督の息子であることから
周囲の人々から映画を撮らないのかと言われるが、
その都度、飄々とはぐらかしてきたと言う。

転機は妻で女優の宮本信子さんの父親の葬式に出たとき。
これは映画になると、ふと、ひらめきが訪れ、
「お葬式」という作品でいよいよ監督デビューした。

彼の完璧主義な演出は有名で、
衣装や小道具などを選ぶのにも時間をかけ、
アドリブで台詞を変えることも許さず、
映画ポスターやパンフレットにも細かな赤字を入れた。

さまざまな顔を持つ彼の作品には
これまで彼が映画監督になる前に
人生の中で培ってきたさまざまな経験や知見が
映画芸術として見事なまでに昇華されている。

執筆 廣瀬大

* 全て必須項目です

CAPTCHA


戻る