2023年08月26日
波多野三代
〜暑気払いはいかが〜 ミントガム
噛めばスッと冷たい。
夏にささやかな涼をもたらすミントガム。
日本で普及するようになった原因には、南極観測隊が一枚噛んでいる。
今から67年前、南極観測隊の装備として「南極用のガム」の開発が
ロッテに依頼された。
その目的は、噛むことで
ビタミン、ミネラルといった必要な栄養を補給すること。
それも1種類ではない。
「基地食用」「非常食用」「船中食用」「行動食用」といった具合に
用途別に栄養素にも変化をつける必要があった。
また、鮮やかでとりどりな色をつけ
道に迷った時に雪の上に落とし、遭難を防ぐことも考えられた。
そうして作られた南極用のガムを積んだ観測船宗谷は
昭和31年11月、旅立っていった。
この、南極を思い出させる
冷たさ、爽やかさを再現したガムが
「クールミントガム」として売り出されることになる。
そのパッケージには今も、南極のペンギンが描かれている。
〜暑気払いはいかが〜