2024年02月24日
廣瀬大
瞑想 #5
人間はなにもしないということが苦手だという説がある。
脳は自分を守るために、常に
「次、こうすれば、こうなるかも」
「次、こんなことがあれば、こんなことになってしまう」
「前回、こんなことをしなければ、こんなことにならなかったかも」
とシミュレーションを繰り返す機能を持っている。
人間はなにもしていないとき、
そんな頭の中の声を聞き続けることになる。
だから、人は友人との会話やTV、映画やゲーム、
スポーツや仕事といった、
夢中になれることを必要としているという。
人は自分の頭の中の声を聞きたくなくて、
忙しくしている。とも言えるのかもしれない。
そう考えると、
瞑想は頭の中に思考の声が溢れる中、
その声に耳を貸すことなく、
起きていることをただ感じることだと言えるかもしれない。
脳の暴走する思考を、
どうにかしようとすることなく、
ただそのままにして、起きていることに身を任せる。
「いま・ここ」を生きる。
ボストン大学の研究チームは、
さまざまな疾患を持つ患者の不安や抑うつの治療において
瞑想が効果的だと伝えている。
お金がかかることもなく、
依存症になることもなく、
ただ、目を閉じて身を任せるだけ。
なにかに取り組むことではなく、
なにもしないことで人は幸福になっていく。
それが現代人を救う瞑想の力だ。