2023年11月25日
川野康之
函館の石川啄木 『親友郁雨』
函館に来て啄木は多くの友ができた。
中でも宮崎郁雨(いくう)という生涯の親友を得た。
郁雨は苜蓿社の仲間の一人であった。
「宮崎君あり、これ真の男なり」
と啄木は日記に書いている。
郁雨は啄木の才能を高く評価し、敬愛した。
啄木のもっともよき理解者であり、味方であった。
生活力のない啄木のために、精神的にも金銭的にも、
献身的に支えてくれた。
奔放な啄木とは正反対の
真面目で純情な郁雨を啄木も愛した。
大川の水の表を見るごとに
郁雨よ
君のなやみを思ふ (石川啄木)