2023年09月30日
中山佐知子
ロビンソン・クルーソー 「持続可能」
ある日、野生の山羊を
銃で仕留めようとしたロビンソン・クルーソーは
殺して食べるとそれっきりだと気づいた。
山羊は捉えて増やすことにした。
持続可能な食料の確保である。
地面から生える麦も見つけた。
難破船から持ち出した鶏の餌の最後の数粒を
地面に捨てたことを思い出した。
ロビンソン・クルーソーはこれを丁寧に収穫し、
その3分の2を地面に蒔き
リスク分散のために3分の1を残した。
翌年も同じようにした。
ようやくパンを焼いたのは4年めだった。
彼が無人島でしたことは
持続可能な、そして未来を豊かにする再生産だった。