2024年01月13日
大友美有紀
東京の寺社めぐり「五色不動(ごしきふどう)」
東京に五色の不動尊があるのを
ご存知だろうか。
目黒不動尊、目白不動尊だけでなく、
目青不動尊、目赤不動尊、目黄不動尊もある。
目黒不動尊、目白不動尊は地名の由来でもある。
徳川家が江戸を護るため、江戸城本丸を囲うように
不動尊を五箇所に配置したといわれている。
この五色は密教の五大要素だと考えられる。
万物を作る要素として、黒は風、白は水、青は空、
赤は火、黄色は地の五つが存在するとしている。
目黒不動尊は、目黒区の泰叡山龍泉寺に祀られている。
成田不動尊、木原不動尊にならぶ日本三大不動のひとつ。
不動明王は、弘法大師の作と伝えられ、
十二年に一度、酉年にだけ開帳される。
目白不動尊は、豊島区の金乗院におさめられている。
本尊不動明王は、もともともっと東に祀られていたが、
お堂が戦火で焼け、金乗院に移された。
目青不動尊は、世田谷区の最勝寺に。
もともとは麻布谷町の観行寺の本尊だったが、
廃寺になったためこちらに移された。
本尊の不動明王は秘仏であり未公開。
前立ちの青銅製の不動明王は、
見ることができる。
赤目不動尊は、文京区の南谷寺にある。
開祖の万行律師が、夢で、伊賀の赤目山にいくように
告げられ山頂で祈願していると、
天から一寸二分ほどの黄金の不動明王を授かった。
それを護持し下駒込に庵を開き、
赤目不動と号したのが始まりと言われている。
目黄不動は、二箇所ある。
ひとつは江戸川区の最勝寺に祀られる、
木造の不動明王坐像。
もうひとつは台東区の永久寺。
日光街道に面していたことから、
目黄不動としてされたという。
どちらが正解ということもない。
江戸五色不動。
江戸の守護を担ったお不動さまに
お参りするのはどうだろうか。
目黒から始めて目青、目白、目赤、目黄とめぐれば、
一日で訪れることができるかもしれない。