2023年07月16日
森由里佳
島 「アイラ島」
スコットランドの西南、アイラ島。
約4分の1がピートという泥炭で覆われるこの島は、
9つもの蒸溜所を持ち、それぞれ強烈な個性を持つウイスキーを創る。
泥炭とは、
ヘザーやヒースのような野草、
苔やシダなどの水生植物や海藻が長い年月をかけて堆積し、
炭のようになった泥のこと。
乾燥させて燃料として使うと、ウイスキーが独特の風味をまとう。
特にアイラ島の泥炭は海藻が多く、
堆積する時も乾燥させる時も潮風が染み込む。
アイラウイスキーが「海の香り」といわれる所以はここにある。
ところでこの泥炭、
15センチ堆積するのに
約1,000年もかかるという。
アイラウイスキーのグラスを傾けるその一瞬、
何千年もの島の時間が、あなたの中にも流れていく。