2024年02月04日
川田琢磨
立春 「春はあけぼの」
今日は立春。春の始まり。
「春はあけぼの」で知られる枕草子。
清少納言は何を思ってこれを書いたのだろう。
清少納言の主君であった、藤原定子(ふじわらのさだこ)。
一条天皇の最初の后でありながら、
藤原家の権力争いに巻き込まれ、19歳で出家の道を選んだ。
人間に絶望した定子を少しでも元気づけるため、
日常に潜む、ささやかな幸せを文字で紡ぎ、
献上したのが始まりだった。
定子は24歳の若さでこの世を去るが、
清少納言は、その後も9年間、枕草子を書き続けた。
亡き定子へ捧げるため。
そして、藤原定子という素晴らしい人間がいたことを、
千年先の未来まで、伝えるために。