2023年10月14日
新井奈生
学名 #1
人類にとって有用な、あるいは
研究しがいのある自然物には学名がつく。
とりわけ、植物と動物においては
「必ずラテン語の」学名をつけるよう
国際ルールが定められている。
なぜラテン語なのか、というと
中世以降のヨーロッパにおいて
ラテン語が学術用語としてメジャーだったため、とされているが
現在その役割を担う言語は英語である。
それをわざわざラテン語にこだわる意味を考えていくと、
「その方がそれっぽいから」という点に尽きる。
客観性と合理性を重視するはずの「科学」において、
イメージという、主観的なものを大事にしているのは
なんとも面白い話である。