2024年02月17日
河田紗弥
おいしい季節。「おでん」
だいこん、こんにゃく。豆腐。さつま揚げ。ちくわぶ。
おでんの具材は色とりどり。
拍子木型に切った豆腐を竹串で刺して焼いた豆腐田楽が
おでんのルーツとされている。
「おでん」とは、宮中に仕える女房が使用した女房言葉で
「田楽」に「お」をつけて丁寧にし、
「楽」を省略して「おでん」になったという。
「おかか」や「おかず」も同じ女房言葉の仲間だ。
田楽とは元来、豊穣を祈願して、
笛や太鼓に合わせて舞う芸能だったが
一本足の竹馬に乗って踊る田楽法師の姿が
串に刺した豆腐に似ているとして田楽と呼ばれるようになったそうだ。
江戸の川柳には
「田楽はむかしは目で見、今は喰い」というものがあり
「見る田楽」が「食べる田楽」になったことを表している。
江戸時代の風俗事典「守貞謾稿(もりさだまんこう)」には
「上燗オデン」が紹介されている。
おでんと燗酒を天秤棒で担いで売り歩く流しのおでん屋だ。
今の私たちがおでんといえば、熱燗を思い浮かべるのは
江戸の行商人の影響かもしれない。
おでんの具は、
定番と紹介されているものでも20種類近くある。
東京のある店の持ち帰り用おでんは一人前が7種類。
さて、今夜のおでんは何を入れようか。