2022年04月03日
小林慎一
パラリンピックと平和
2月24日。
ウクライナに対するロシアの軍事侵攻が始まった。
ウクライナのパラリンピアンにとって
北京に入ることが最初の戦いだった。
飛行機での移動が不可能になり、
選手はバスでポーランド国境から脱出。
スロバキア、オーストリアなどを抜けて、
予定していた20人すべての選手が無事北京に入ることができた。
ウクライナ・パラリンピック委員会のワレリー・シュケビッチ会長は
「ここに来られたことが、奇跡だ」と話した。
母国に大会初の金メダルをもたらしたのは
バイアスロンの競技に出場した
グリゴリー・ボウチンスキー選手だ。
金メダルが決まるとテレビカメラに静かに手を振った彼はこう語った。
「私は戦場に立つことはできないが、
表彰台に立ってウクライナの国家を歌い
歌詞にあるように、ウクライナは生きているということを
世界に知ってもらうことができる」