2022年04月24日
熊埜御堂由香
月のはなし 月夜の物語
日本人は、満月に餅つきをするウサギを見る。
このウサギの見立ては、実はインドの伝説が発祥で、
中国、そして日本へ伝わってきたという。
さらに世界に目を向けると、
インドネシアでは編み物をする女性、
アラビアでは吠えるライオン。
南ヨーロッパの海沿いでは、爪を振りかざすカニ。
東ヨーロッパや北アメリカでは
月の白い部分を顔に見たて
髪の長い女性の横顔を満月に重ねる。
ノルウェーでは男の子と女の子が
バケツを運んでいるのだという。
男の子と女の子が丘を登って水を汲むと、その水が雨になる。
世界のあらゆるところで、何百年、何千年と月を見上げてきた人々の
物語がそこに見える。