2023年08月20日熊埜御堂由香 祈りのはなし 赤い芽明治から昭和を生きた、詩人・小説家の高見順。プロレタリア文学運動に入り検挙され、その後、ビルマの戦地にも従軍した。小説家としては、饒舌体と呼ばれた私小説が支持された。その人が永眠する鎌倉の東慶寺に、「赤い芽」という詩が捧げられている。空をめざす 小さな赤い手の群れ祈りを知らない 祈りの姿は美しい精一杯、生きようとする。そのものが祈りなのかもしれない。