2024年01月21日小野麻利江 Photo by Joi Ito鍋のはなし 「うつつを抜かす鍋」京都市上京区、千本通を西に入ったところに三百年以上の歴史を誇るすっぽん鍋の店がある。老舗・大市(だいいち)の「◯鍋(まるなべ)」。すっぽんの出汁と身が入った鍋をコークスで1600度を超えるまでひと息に炊き上げる。志賀直哉、芥川龍之介、直木三十五の3文豪が一緒に食べて、「うまさにうつつを抜かした」と発した。そう伝えられる、◯鍋。年の初めから試すのも、また一興。