2024年03月24日
黒松理穂
春のことば 「春のひととき」
春には、美しいひとときを表す言葉がある。
明け方は「春暁(しゅんぎょう)」。
「春眠 暁を覚えず」で知られる「春暁」という詩は、
朝が来たのも分からないほど心地良い、春の眠りを歌っている。
昼の光は「風光る」。
あたたかい日差しに、吹く風も輝いているように見えることから。
春を迎える喜びと希望が込められている。
夕暮れ空は「春茜(はるあかね)」。
穏やかな空に少しだけ茜色が入った、
春だけの柔らかい夕焼け風情を表す。
夜は春の宵と書いて「春宵(しゅんしょう)」。
「春宵一刻値千金(しゅんしょういっこくあたいせんきん)」という詩には、
春の夜の素晴らしい趣は、千金にも換え難いという意味が込められる。
あなたは、どの瞬間の春が好きですか。