熊埜御堂由香(25)
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旅のはなし プルーストの言葉
2022年08月21日
旅に出ると、普段はどうということのない人との出会いがやけに鮮明に心に残る瞬間がある。 「日本人の旅人」といえば、きっと名前が出てくる松尾芭蕉。 「奥の細道」では最後にこんな句を残している… 続きを読む
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雨のはなし 1 『晴耕雨読』
2022年06月19日
雨が降ったら何をしよう。 晴れていれば畑を耕し、雨が降れば本を読めばいい。晴耕雨読というこの言葉は日本で生まれた熟語だ。 誰の言葉なのか由来が定かではないが、明治中ごろの日本人の漢詩に出… 続きを読む
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雨のはなし 2 『雨の匂い』
2022年06月19日
雨の日に、ふと、独特な香りを感じることがある。 雨の匂いは科学的に解明されていて、降り始めの香りは、ギリシャ語で石のエッセンス「ペトリコール」と呼ばれる。ペトリコールは雨粒が降り注ぐときに土や… 続きを読む
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月のはなし 月夜の物語
2022年04月24日
日本人は、満月に餅つきをするウサギを見る。このウサギの見立ては、実はインドの伝説が発祥で、中国、そして日本へ伝わってきたという。 さらに世界に目を向けると、インドネシアでは編み物をする女性、ア… 続きを読む
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月のはなし 満ち欠け
2022年04月24日
「この世をば わが世とぞ思う 望月の 欠けたることも なしと思えば」 平安時代中期の権力者藤原道長は52歳でこんな歌を詠んだ。この世は自分のためにあるという意味の歌だった。しかし、月は満ちては… 続きを読む