2023年07月08日長谷川智子 旅の荷物 「平泉」江戸時代の俳人、松尾芭蕉は、奥の細道の旅の途中、東北、平泉を訪れる。悠々と流れる北上川の岸辺に草が青々と生い茂る。小高い丘の上から、のどかな景色を眺めながら、芭蕉は、かつてこの地を支配した奥州藤原氏の栄華に思いを馳せる。夏草や兵どもの夢のあと藤原氏が築いた平泉には豪華な屋敷や寺が立ち並び10万人もの人が暮らす大都市だったという。芭蕉は、その想像力で時を超える旅をした。