2022年10月02日

執筆者佐藤延夫

望遠鏡の日 ジョヴァンニ・カッシーニと月

17世紀のイタリアの天文学者、ジョヴァンニ・カッシーニ。
彼は、芸術家の協力を得て
精巧な月面図をシリーズで展開した。
それを可能にしたのは、ローマのレンズ職人、
ジュゼッペ・カンパーニによる、高性能の望遠鏡だった。
土星の環に大きな隙間があること、
木星の表面にある細かい模様の発見、
それらはレンズの功績とも言える。
カッシーニの月面図は、
写真が発明されるまでの間、
最高峰の出来栄えとして評価された。

彼はその後、フランスに帰化し、
パリ国立天文台の初代所長になっている。

今日10月2日は、望遠鏡の日。

2022年10月02日

執筆者佐藤延夫

望遠鏡の日 ジョン・ドレイパーと月

1827年。
世界で初めて写真を撮影したのは、
フランスの発明家、ジョセフ・ニセフォール・ニエプスだ。
その後、同じフランスのルイ・ダゲールに引き継がれ、
ダゲレオ式、日本でいう銀板写真の発明に成功する。

そして1840年。
そのダゲレオ式カメラに望遠鏡を取り付けて
月を撮影したのが
アメリカの化学者ジョン・ドレイパーだった。
化学的な改良を加えたため、美しい写真となった。
ひとつの発明が、次の発明を生む。
瞬く間に月の地図は、写真に取ってかわった。

今日10月2日は、望遠鏡の日。

2022年10月02日

執筆者佐藤延夫

from PxHere

望遠鏡の日 古代エジプト人と月

遠い昔。
古代エジプト人は、
宇宙を、いくつもの層に分かれたドーム状のものだと考えていた。
私たちが暮らす地表の下には地下世界が広がり、
大気がある空の層があり、
そのさらに上には天空の世界。
宇宙とは、神話そのものなのだ。

今日10月2日は、望遠鏡の日。
想像力があれば、何かが見える。

2022年10月01日

執筆者廣瀬大

写真

一瞬を永遠へと変える写真。

カメラが捉えた一瞬は、   
フィルムに定着され、永遠となり、    
時代を超えて人々の目に触れる。

世界初の写真は、
フランスのジョセフ=ニセフォール・ニエプスによる
ヘリオグラフィーと言われている。

「太陽が描いた」という意味を持つ
ヘリオグラフィー。

いま見ると、ぼんやりとした
暗い残像のようでしかないが、
ここから写真の歴史は始まっている。

2022年10月01日

執筆者廣瀬大

写真

ブーツを履いて、遠くを見て立つ坂本龍馬。

坂本龍馬と言われるとみなが思い出すこの写真は、
長崎で写真館を開いていた上野彦馬が撮影した。

蘭学者の父を持ち、
化学の教科書を執筆するほど専門知識を持っていた上野彦馬。
当時の写真は化学の知見が必要不可欠だった。

彼の写真館には高杉晋作、桂小五郎など
維新の志士の姿があったと言う。

2022年10月01日

執筆者廣瀬大

写真

「勝利のキス」と名付けられた写真がある。

第二次世界大戦が終わった喜びにわくタイムズスクエアで
若い兵士が看護師にキスをするモノクロームの写真。

アルフレット・アイゼンスタットによるこの写真は、
雑誌「LIFE」に掲載され、有名になった。

この二人、恋人同士ではなく、
偶然、この場ですれ違った二人であり、
お互いに名前も知らなかったという。

2022年10月01日

執筆者廣瀬大

写真

パリのサンラザール駅で水たまりをジャンプする男。
いま、まさに彼のかかとは水たまりに触れようとしている。

日常の中に生まれた美しい瞬間をとらえたモノクローム写真は
アンリ・カルティエ=ブレッソンによるもの。

奇跡のような構図が訪れるそのときを、
卓越した能力で切り取るブレッソン。

1952年の写真集の英語版タイトルが
日本語で「決定的瞬間」と訳されたことから、
この言葉が世に広まったと言われている。

2022年10月01日

執筆者廣瀬大

写真

強い視線でじっと何かを凝視するチェ・ゲバラの顔のアップ。

「英雄的ゲリラ」と題され、彼のアイコンとなった写真は
キューバのカメラマン、アルベルト・コルダによって撮影された。

撮影の前日、キューバの港では
テロ攻撃によって弾薬を積んだ船が爆発炎上し
数百人の死傷者が出る大惨事が起きた。
写真はその翌日の追悼式のときのものだった。

撮影をしたコルダによると
シャッターチャンスは30秒、撮った写真は2枚。
ゲバラのまなざしには強さと深さ、
そして怒りが満ちていたという。

2022年10月01日

執筆者廣瀬大

Photo by Brecht Bug

写真

いたずらな表情を浮かべ舌を出す
アインシュタイン。

この写真は
アインシュタインの72歳の誕生日に撮影された。

パーティーから帰ろうとしてタクシーに乗ったとき
報道陣に笑顔を求められ
照れ隠しに舌を出したというのが真相らしい。

普段はもの静かだったと言われる
アインシュタイン。
実は本人もこの写真を大変気に入り、
人に配っていたそうだ。

このチャーミングな写真のおかげで
我々は天才物理学者を身近に感じることができる。

2022年10月01日

執筆者廣瀬大

photo by Olatz eta Leire

写真

一瞬を永遠へと変える写真。

カメラが捉えた一瞬は
フィルムに定着され、永遠となり
時代を超えて人々の目に触れる。

365日、毎朝、同じ時間に同じ場所から撮影された街の写真。

これは映画「スモーク」に出てくるエピソード。
映画の舞台となる小さなたばこ屋の主人は、
毎日、同じ時間に同じ場所から同じアングルで街角を撮影し続ける。

映画の主人公の一人である小説家が、
たばこ屋の主人にこの写真を見せてもらうシーンがある。
無数にある写真アルバムをどんどんめくっていく小説家。
たばこ屋の主人はをゆっくり写真を見ろと言う。

ウィークデー、週末、
よく晴れた日、曇りの日、雨の日、
春の、夏の、秋の、冬の日差し、
その日、その日によって天候も光も違えば、歩く人々も違う。
季節が移り変わり、街を歩く人々の服装も変わる。
よく見る顔、一度しか見ない顔。
新しい顔がよく登場するようになり、古い顔が次第に消えていく。
同じようでいて一枚として同じ写真はない。

ふと、小説家の手がとまる。そこには一枚の写真が。
その写真には小説家の亡くなった奥さんが
職場に向かって歩いている姿が写っている。

なぜ、たばこ屋の主人はこのカメラで街を毎日撮影
するようになったのか。
そこに至るまでのエピソードは、映画を観てのお楽しみ。