2022年09月24日

執筆者佐藤理人

グレート・フィッツジェラルド グレート

昔の恋人を取り戻そうと犯罪で巨万の富を築くが、
最後は裏切られて破滅する。フィッツジェラルドの最高傑作、
「グレート・ギャツビー」はいったい何がグレートなのか。
それは、彼の無垢な一途さにある。
名前も経歴も嘘っぱちだが、愛だけは本物。
だからこそ語り部のニックは、ギャツビーに言うのだ。

周りのやつらが束になっても、君には敵わないよ。

今日はフィッツジェラルドの誕生日。

2022年09月24日

執筆者佐藤理人

Photo by yoppy

グレート・フィッツジェラルド 映画化

フィッツジェラルドの最高傑作、
「グレート・ギャツビー」は過去5回映画化されている。
その魅力について、5人目のギャツビー、
レオナルド・ディカプリオは語る。
ギャツビーは、アメリカ版ハムレットなんだ。

映画会社は当初、5本目の製作に対して、
原作がアメリカでしか知られていないと難色を示した。
だがその映画を監督したバズ・ラーマンは、
日本ではあのハルキ・ムラカミが翻訳しているんだぞ。
そう言って説得したそうだ。

今日はフィッツジェラルドの誕生日。

2022年09月24日

執筆者佐藤理人

Photo by Airwolfhound

グレート・フィッツジェラルド 卒論

村上春樹がもっとも影響を受けた小説、
「グレート・ギャツビー」。
しかし彼が大学の卒業論文に選んだ作品は、
映画「イージー・ライダー」だった。
考えてみれば、両者には共通点が多い。
どちらもアメリカを舞台に、方や過去の恋人の幻を、
方や真のアメリカを追い求め、最後は悲劇を迎えてしまう。
高い志をもちながら、どこか滑稽なその行動が、
美しい景色の中、淡々と展開されていく。
決して手に入らない夢を、追いかける自由を手にすること。
それが、本当のアメリカンドリームかもしれない。

今日はフィッツジェラルドの誕生日。

2022年09月24日

執筆者佐藤理人

グレート・フィッツジェラルド バトン

80才の姿で生まれ、年をとるにつれて若返る、
不思議な男の一生を描く物語、「ベンジャミン・バトン」。
映画化もされたこの小説を書いたのは、
アメリカ文学を代表する作家、
F・スコット・フィッツジェラルドだ。
人間にとって本当の悲しみは、年をとることではなく、
誰かと人生を共有できない孤独ではないだろうか。
それから3年後、彼はアメリカ文学史に輝く傑作、
「グレート・ギャツビー」を発表する。
ヒロインの名は「ベンジャミン・バトン」と同じ、
デイジーだった。

今日はフィッツジェラルドの誕生日。

2022年09月24日

執筆者佐藤理人

グレート・フィッツジェラルド ハリウッド

ヒーローを見せてごらん。僕が悲劇を書いてあげよう。

アメリカ文学を代表する作家、
F・スコット・フィッツジェラルドの人生は、
自分が書いたこの言葉を地でいくものだった。

1920年代、彼は第一次大戦後の好景気に沸く、
新しいアメリカを描いた一連の作品で流行作家となった。
妻のゼルダもまた、自由で奔放な新世代の女性、
「フラッパー」の代表で、2人は毎晩派手なパーティを繰り広げた。
1925年、傑作「グレート・ギャツビー」を発表すると、
フィッツジェラルドの名声は絶頂を迎える。

しかし1929年、世界恐慌で世の中は一変。
享楽的な世界を描く彼の作品は、一夜にして時代遅れになってしまう。
さらにゼルダが深刻な心の病に罹り、入院する。
治療費と浪費で莫大な借金を抱えた彼は、
生活費を稼ぐため、ハリウッドで脚本家に転身した。
返済に追われ、アルコールに逃げるその姿に、
かつての人気作家の面影はもう見られなかった。

カッコよく生きなくてもいい、生きていくことに意義がある。

そう言って執筆活動を続けた彼は、
最後の長編「ラスト・タイクーン」を執筆中、
心臓発作に倒れ、44才でこの世を去った。

わずかな参列者に見送られた寂しい葬儀は、
彼が小説で描いたギャツビーの葬儀とそっくりだった。

今日はフィッツジェラルドの誕生日。

2022年09月18日

執筆者薄景子

旬のはなし 石塚左玄

春苦み 夏は酢の物 秋辛味 冬は油と合点して食え
そう説いたのは食育の祖、石塚左玄。

体が求める栄養は、季節ごとに用意され
旬のものこそが健康をつくるというのだ。

秋の辛味は食欲増進。
ピリッと辛い大根おろしの出番も増える。

旬は一瞬。体もよろこぶ季節の味を
大切に味わいたい。

2022年09月18日

執筆者薄景子

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

旬のはなし 秋刀魚と鰯

「貧乏秋刀魚に福鰯」
農家に伝わることわざだ。

寒流にのってきた秋刀魚が豊漁のときは
夏の気温が低く、農作物は不作になる。
一方、暖流にのってきた鰯が豊漁のときは
お米の豊作が期待できるから「福鰯」といったそう。

なるほど、漁業と農業はつながっているのだ。

温暖化の影響が食卓にも及ぶ今日この頃。
でも、秋にはやっぱり秋の味、
脂ののった瞬間を逃さずいただきたい。

2022年09月18日

執筆者小野麻利江

Photo by arty822

旬のはなし イチジクを楽しむ

8月から出回りはじめたイチジクは、
ちょうど、今が旬。

実は4700年以上前から栽培されていて、
旧約聖書や新約聖書にも登場し、
ギリシャ・ローマ神話、さらにバラモン教でも、
神への供物として使われてきた。

神々に愛された、甘い甘い果実。
人間の私たちは、それをジャムにするという
危険な知恵にたどり着いた。

さいの目にカットしたイチジクに
グラニュー糖とレモン果汁を混ぜ、
水分が出てきたら火にかけて、
中火で15〜20分煮詰める。

とろみがついたら火からおろし、
冷ましたら、イチジクのジャムの出来上がり。

「9月に出回る露地物」を好んでジャムにする
菓子職人もいるくらい。
旬は一瞬で終わる。今こそイチジクを。

2022年09月18日

執筆者小野麻利江

Photo by Justus Menke on Unsplash

旬のはなし トマトの季節

夏野菜のイメージが強い、真っ赤なトマト。
今年の夏も、多くの食卓を彩った。

でも意外にも、
日本でトマトが美味しくなるのは
春から初夏と、
秋から初冬。つまり、これから。

秋のトマトは、夏のトマトよりも
涼しい環境で育つ。
だからじっくりと大きくなり、
甘みや旨味が、ぎゅっとつまる。

この秋も、ぜひ、
トマトと美味しいひとときを。

2022年09月18日

執筆者石橋涼子

Photo by Myrlene NUMA on Unsplash

旬のはなし 3つの旬

食材が最も美味しい季節である「旬」は、
さらに3つに分かれている。
「はしり」「さかり」「なごり」

「はしり」は初鰹や、新茶のように、
季節を先取りするもの。

「さかり」は美味しい盛り。
味も価格も安定して食べやすい。

「なごり」は旬の終わりかけ。
果物の柿は、渋みも抜けて円熟した味になる。

季節の味は、一期一会。
この秋の出会いを、楽しもう。