2022年09月18日

執筆者石橋涼子

Photo by Matthew Byrne

旬のはなし きのこの魅力

しめじに、しいたけ、えのき、まつたけ。
きのこは
日本で古くから愛される秋の味。

平安末期の今昔物語集では
山道で事故に遭い、谷に落ちた役人が
災い転じてきのこを収穫する話があり、

徒然草では、兼好法師が
高級食材である松茸について語っている。
豊臣秀吉も、松茸狩りが秋のお楽しみだった。

食いしん坊と言うなかれ
今も昔も、食で得られる歓びは変わらない。
その一瞬が積み重なって、食の歴史は紡がれるのだ。

2022年09月18日

執筆者黒松理穂

旬のはなし 二十世紀梨

9月が旬といわれる、二十世紀梨。
その誕生は、なんとゴミ捨て場だった。

今から100年以上前、
当時13歳だった松戸覚之助(かくのすけ)という少年が、
ゴミ捨て場で芽を出す、梨の苗を見つけた。
辛抱強く育てた結果、10年後に見事結実。

その味は、専門家にも高く評価され、
来たる新世紀を代表する品種になるだろうと、
「二十世紀梨」という名前が付けられた。

時が経ち、21世紀。
今この瞬間もなお、秋の味覚を代表する果物だと、
当時の覚之助少年に伝えたい。

2022年09月18日

執筆者黒松理穂

Photo by Ernesto Lago

旬のはなし 「ご馳走さま」

食後の挨拶である、「ご馳走さま」。
この「馳走」には、「走り回る」という意味がある。
食材を調達するのに、あちこち走り回っていた時代に、
そのお礼として出来た言葉だ。

食欲の、秋。
食べ頃を迎える食材の、美味しい瞬間は、
たくさんの手間でできているから。
感謝を込めて、今日もご馳走さまでした。

2022年09月17日

執筆者河田紗弥

スポーツの秋。『バスケットボール』

1891年。
アメリカ・マサチューセッツ州スプリングフィールド。

国際YMCAトレーニングスクールの体育部教官を務めていた
カナダ人のジェームズ・ネイスミスという人がいた。

雪がしんしんと降り、
凍えるほど寒い冬でもできるスポーツはないか
そう考え、彼が手に取ったのが、桃を入れる籠。

体育館の両端の手すりに、籠をぶら下げ、
そこにボールを入れて点を取り合う競技が生まれ、
籠を使うことから、バスケットボールと名付けられた。

発祥の地であるトレーニングスクールに来ていた多くの留学生が
バスケットボールを世界中に広めていった。

2022年09月17日

執筆者河田紗弥

スポーツの秋。『バレーボール』

ときは、1895年。
当時の室内スポーツといえば、
体のぶつかり合いが激しいバスケットボールが中心。
運動能力の高い若い男の人しか楽しめなかった。

そこで、ウィリアム・G・モーガンによって
老若男女誰もが楽しめる室内スポーツとして
考案されたのが、バレーボール。

テニスでボールが地面に落ちる前にボールを打つ
「ボレー」というプレーから
「バレーボール」という名がつけられた。

2022年09月17日

執筆者河田紗弥

Photo by Länsmuseet Gävleborg

スポーツの秋。『卓球』

日本で卓球といえば
温泉宿の風呂上りをイメージしてしまうのだが、
卓球のはじまりは19世紀のイギリスだ。

外でテニスができない雨の日、
上流階級の貴族たちは
室内テーブルを使ってボールを打ち合った。

ボールをラケットで打つと「ピン」
相手の台に落ちると「ポン」と音がすることから
「ピンポン」と呼ばれるようになり、
貴族たちは社交の場として
「ピンポンパーティー」を日常的に楽しんでいた。

2022年09月17日

執筆者河田紗弥

スポーツの秋。『サッカー 中世イングランド説』

サッカーの誕生の由来は、諸説あるが、
そのひとつが、中世イングランド。

8世紀ごろのイングランドでは、
戦争に勝利すると、
敵の将軍の首を切る風習があった。

兵士たちは、それを蹴って遊び
勝利を祝ったといわれている。

やがて蹴るものがボールに代わり、
蹴ったボールを決められた地点まで運ぶ早さを
村同士で競い合う競技になっていったという。

サッカー誕生のひとつの説である。

2022年09月17日

執筆者河田紗弥

スポーツの秋。『サッカー 中国起源説』

サッカーの誕生には、諸説あるといわているが、
最も有力と言われているのが中国を起源とする説。

中国の伝統スポーツ「蹴鞠」
紀元前300年以上前の中国のひとつの国「斉」では、
軍事訓練として蹴鞠が用いられていたという。

それぞれ鞠を奪い合い、「球門」という今でいうゴールに
入れた回数を競い合う
極めて現代のサッカーに近いものだった。

兵士たちの運動能力向上を目的に始まったものだったが、
次第に娯楽となり、
一般の人たちにも楽しまれるようになっていった。

2022年09月17日

執筆者河田紗弥

スポーツの秋。『スケート』

スケートの起源は、石器時代にまで遡る。

ヨーロッパでは、冬になると
氷結した川や湖の上を、
動物の骨を加工した靴で滑りながら移動するようになった。
これがスケートの始まりだと言われている。

最初は移動手段として広まったスケートは
13世紀にオランダで鉄製のブレードが開発されたことをきっかけに
だんだんとレジャースポーツとして楽しまれるようになった。

そして、早さを競うスピードスケートと
貴族社会が生み出した優雅さを目的とするフィギュアスケートに
分化していった。

2022年09月17日

執筆者河田紗弥

スポーツの秋。『マラソン』

42.195。
この数字を聞くと、
多くの人がマラソンを思い浮かべることができるのではないだろうか。

マラソンの歴史は、紀元前。
ギリシャ軍兵士が、ペルシアの大軍との戦いの勝利を報告するために、
“マラトン”から約40km離れたアテナイまで走ったことに由来している。

勝利の報告後、使命を果たした兵士は力尽きてしまい、
この兵士を偲んで、兵士が走った約40kmを
第一回オリンピックで走ったのがマラソンのはじまり。

当時は、大会によって距離が違い、
約40kmという曖昧なルールで実施していた。

そのルールから、42.195kmという数字が決められたのは
1908年の第4回ロンドン大会。

このときのイギリス女王アレキサンドラが
「スタートは城の窓から見えるように宮殿の庭で、
ゴールは競技場にあるボックス席の前に設置して欲しい」とリクエスト。

その結果、当初予定していた42kmよりも距離が伸び、
42.195kmになったと言われている。

そしてその数字が、
今では正式な競技距離として定められているのである。

マラソンは
王女のちょっとしたわがまま。
バスケットボールは、
冬の寒さの中でもできるスポーツを、というアイディア。
バレーボールは、
老若男女が楽しめるようにという思い。

スポーツには、歴史がある。
そしてその歴史には、さまざまな人の思いやアイディアが溢れている。

スポーツの秋。
今年はどんなスポーツを楽しもう?