2022年07月24日

執筆者河田紗弥

Emojiのハナシ。『Emojiの広がり』

イギリスの言語学者によると、
文字の広がりかたとしては
Emojiは歴史上最速なのだそうだ。

Emojiの活躍の場は、もはやメールだけではない。

(2015年)オバマ大統領は
「カラテ、カラオケ、マンガ、アニメ、そして絵文字」
と日本文化のひとつとして紹介し、
「State of the Union in Emoji」という
アメリカの現状を絵文字で表現するコンテンツまで作っている。

絵文字の広がりは、留まるところを知らない。

2022年07月24日

執筆者河田紗弥

Photo by Thomas

Emojiのハナシ。『海外でのEmoji』

世界中で愛されるようになったEmoji。

2015年には、オックスフォード辞典が
「ワード・オブ・ザ・イヤー」に選んだのは、
“泣き笑い”の表情を表す
“Face with Tears of Joy.”の絵文字だった。

そして、2016年には、
ニューヨーク近代美術館(MoMA)が
NTT ドコモが作成した最初の絵文字176個を
常設収蔵品として購入して話題になった。

メールに感情を添えるために生まれた絵文字が、
政治と若者の距離を近づけたり、
ひとつの文化として愛されるようになったり。

活躍の場は、ますます広がっていきそうだ。

2022年07月24日

執筆者河田紗弥

Emojiのハナシ。『いまのEmoji』

最近の絵文字は、
人々の多様性に対応して、皮膚の色の種類を増やしたり
恋人のように手を繋いでいる絵文字も
男女だけでなく、女性同士、男性同士を選択できるようになったり、と
新たなデザインが加えられている。

食べ物も、最新のトレンドフードが追加されたり、
場所やものの絵文字も、常にアップデートがされている。

もしかしたら、今や絵文字は
世界の縮図になっているのかもしれない。

2022年07月23日

執筆者佐藤理人

Image by Plamankung Wannasiri from Pixabay

とても赤い実 福羽苺

国産第一号の苺が生まれたのは1898年。
当時、農業試験場だった新宿御苑の農学博士、
福羽逸人がフランスの品種を日本向けに改良した。
やがて生まれた苺は、果肉がとても甘く、
柔らかすぎて、ピンセットで収穫したほど。
「福羽苺」と名付けられたこの品種は、
美味しさのあまり皇室献上品になった。
西洋よりいいものを作ってみせる。
それは、明治日本の誇りと意地の結晶だった。
現在、世界には約300種類の苺があり、
半数以上を日本産が占めている。

2022年07月23日

執筆者佐藤理人

Photo by David Lenker

とても赤い実 果実

苺の表面にある小さな粒々。
実はあれは種ではなく、一つひとつが「果実」。
一粒の苺は、約300個の果実が集まった
「集合果」なのだ。
では私たちがいつも食べている、
赤い部分は一体何だろうか。
答えは偽の果実と書いて「偽果(ぎか)」と読む、
花の付け根が発達したもの。
苺は漢字で、草かんむりに母と書く。
緑のへたの下に、
たくさんの果実が実る姿を見ていると、
思わず納得してしまう。

2022年07月23日

執筆者佐藤理人

Photo by Lucinda Hershberger on Unsplash

とても赤い実 栄養

一粒わずか30gの中に、
たくさんの栄養素が詰まっている苺。
特にビタミンCは豊富で、
みかんやグレープフルーツの2倍。
甘みが強いため、カロリーが高いイメージだが、
実は低糖質・低カロリー。りんごと比べると、
100gあたりの糖質は半分程度しかない。
理由は、水分の多さ。
デザートの優等生だが、食べ過ぎは禁物。
食物繊維も多く、お腹をこわす可能性があるため、
一日8粒が目安だそうだ。

2022年07月23日

執筆者佐藤理人

Photo by Stefan Lins

とても赤い実 語源

苺が初めて日本の文献に登場したのは奈良時代。
日本最古の歴史書「日本書紀」によると、
苺の語源は「伊致寐姑(いちびこ)」。
「とても赤い実」を意味する野いちごだった。
平安時代の辞書「和名抄」では既に「び」が抜けて、
「伊知古(いちご)」と記されている。
ちなみに英語の「strawberry」は藁「straw」と、
果実「berry」を組み合わせたもの。
収穫時、藁の上に大切に置いたのが語源となった。

2022年07月23日

執筆者佐藤理人

Photo by Fumiaki Yoshimatsu

とても赤い実 野菜

苺は美味しいフルーツ、ではない。
農林水産省によると、苺は、実は野菜。
園芸学では、木の実を果物、草の実を野菜、
と分類するのがその理由だ。しかし実際は、
果物として食べられているため、
総務省の家計調査では「果物」として扱われる。
野菜は英語で「vegetable」、果物は「fruit」。
語源のラテン語ではそれぞれ「生命力」と「恵み」を意味する。
野菜でも果物でも、苺が私たちの食卓に、
喜びをもたらしてくれることに変わりはない。

2022年07月23日

執筆者佐藤理人

Photo by Yuichi Sakuraba

とても赤い実 苺大福

大福に初めて苺を入れた人は誰か。
苺大福の発祥には様々な説があるが、
つくり方の特許を持っているのは、
110年続く新宿の和菓子屋「大角玉屋」。
1985年の正月、三代目店主の大角和平は、
苺のショートケーキを見て閃いた。
ショートケーキが洋菓子店の看板商品なら、
和菓子店の看板商品はなんだろう。
大福に苺を使ったらどうなるだろう?
明治から続く和洋折衷の精神。
そのクリエイティビティが、
未来の大ヒットを生み出した。

2022年07月23日

執筆者佐藤理人

Photo by Eva Bronzini from Pexels

とても赤い実 ショートケーキ

ショートケーキは100年前、大正時代の日本で生まれた。
発案者には2つの説がある。

1人は不二家の創業者、藤井林右衛門。
洋菓子の視察で渡米した彼はアメリカの伝統菓子、
「ストロベリーショートケイク」と出会った。
「ショート」とは「短い」ではなく「サクサク」。
苺とクリームを挟んだクッキー生地の歯応えを、
藤井は日本人好みの柔らかいスポンジに取り替えた。

もう1人はコロンバンの創業者、門倉國輝。
フランスでのパティシエ修行中、彼はあるケーキと出会った。
マリーアントワネットも愛した「ル・バガテル」は、
ビスケット生地に苺とバタークリームを重ねたこってり系。
門倉はそれをしっとりした生地とあっさりした生クリームで、
日本人好みに改良した。

それでもショートケーキが全国に広まるのは、
冷蔵庫が普及する1950年代まで待たねばならなかった。
70年代に入り、クリスマスケーキが流行すると、
ショートケーキは日本の国旗と同じ紅白の色を追い風に、
一気に国民的ケーキの座を獲得する。

苺の甘みと程よい酸味、軽やかな生クリーム、
ふんわりしたスポンジが織りなす絶妙なバランス。
ショートケーキは「和を以て尊しと成す」日本人らしい、
美味しいハーモニーだった。

ショートケーキは今年で100周年。