2022年07月17日
薄景子
海のはなし ゴッホの言葉
心が疲れたとき、ふと
海を見に行きたくなるのはなぜだろう。
ただ波の音を聞いて、ぼーっと水面を眺めるだけで
気持ちが落ち着いてくるのはなぜだろう。
ゴッホは言った。
人の心は海とよく似ていて、
嵐があって、潮があって、深さがあって、そして真珠もある。
そう、海と人は似たもの同士。
だから、何も言わなくてもわかりあえる。
2022年07月17日
心が疲れたとき、ふと
海を見に行きたくなるのはなぜだろう。
ただ波の音を聞いて、ぼーっと水面を眺めるだけで
気持ちが落ち着いてくるのはなぜだろう。
ゴッホは言った。
人の心は海とよく似ていて、
嵐があって、潮があって、深さがあって、そして真珠もある。
そう、海と人は似たもの同士。
だから、何も言わなくてもわかりあえる。
2022年07月17日
漢字で「海」の「月」と書けば、
クラゲのこと。
「海」の「星」なら、ヒトデ。
とてもわかりやすい。
では、
漢字で「海」の「馬」、
「うみうま」または「かいば」が表す海の生き物は
何だろう。
正解は、
タツノオトシゴ、セイウチ、トド。
一説では、アシカやアオウミガメを指すとも言われている。
ギリシア神話には文字通り半分馬で半分魚の
「うみうま=シーホース」も登場する。
海の馬は、なぜか、たくさんいる。
不思議だけれど、海に不思議はつきものだ。
2022年07月17日
1741年、
カムチャッカ探検隊の船が
嵐によって小さな島に座礁した。
無人島の海辺には、人々が見たことのない大型生物が
群れで生息していた。
その姿はジュゴンやマナティに似ており、
体重は数トンもある巨大な体を持っていた。
とても大人しい性質で、捕獲するのは簡単だった。
肉は大変美味で、ミルクからはバターがつくれ、
毛皮は靴やベルトになったという。
遭難した探検隊は、この生物のおかげで命を繋いだとも言える。
探検隊の一員で、博物学者でもあるステラーにちなんで
ステラーカイギュウと呼ばれたその生物は、
その後、肉や毛皮を求めるハンターに乱獲され、
ついには絶滅した。
ステラーに発見されてから、わずか27年だった。
2022年07月17日
「なみだは
にんげんのつくることのできる
一ばん小さな 海です。」
と、寺山修司は、詩に書いた。
生き物はもともと、海から生まれたという。
人間の場合、海から陸へと移り住む過程で
肺や手足と一緒に、まぶたや涙腺もできたらしい。
涙がしょっぱいのは、私たちが海にいた名残。
私たちの目から流れる小さな海も、
やがて蒸発して雨となり、
大きな海へといつか帰っていくだろう。
2022年07月17日
海辺に打ち寄せる波の数は
穏やかなときで、1分間に約18回。
偶然にもそれは、人が幸福を感じるときの
呼吸の数とほぼ同じだという。
海と人は同じリズムで生きている。
波の音が母親の胎内で聞いた音に近いというのは
海がすべてのいのちの源だからだろうか。
ああ、母なる海に抱かれたい。
2022年07月17日
画家マグリットの作品に、こんな題名の絵がある。
「テーブル、海、果物」
あなたは、どんな絵を想像するだろうか。
描かれているのは、恐らく誰も想像しない、木の葉と、バターと、壺。
この3つが並んだ絵に、
マグリットは「テーブル、海、果物」という題名をつけたのだ。
彼は、言葉とイメージは違うものだと考えていた。
私たちは、「海」と言われると、誰もが同じイメージを
共有しているように思う。
しかし今、あなたが思い描く海は、あなたにしか作り出せない、
たった一つの海なのだ。
2022年07月17日
バルカローレ。日本語にすると、舟唄。
ピアノのための短い楽曲のひとつで、
海に浮かぶ水の都・ヴェネツィアの水路を進む、
ゴンドラの漕ぎ手が口ずさむ歌を
モチーフとしている。
舟唄の中でも代表的な作品が、
ピアノの詩人・ショパンによるもの。
恋人だったジョルジュ・サンドと破局を迎え、
失意の中でつくられたというこの曲は、
在りし日の思い出が幻想となって、
波間に散っていく様を描いたとされる。
ショパンが生み出したヴェネツィアの水面は、
本物に負けないくらい、眩しい。
2022年07月17日
あと数分で迎える、
明日は海の日。
祝日となった当時は、
7月20日が海の日だった。
明治9年、天皇を乗せた明治丸が
横浜に帰着した日が、
由来のひとつとされている。
私たちもこの夏は、
久々のクルーズを楽しむのも
きっと悪くない。
2022年07月16日
表現者たちの創作術。
世界中の子どもだけでなく、大人も魅了してやまない
ハリポッターシリーズ。
作者のJ.K.ローリングは登場人物のひとりひとりについて、
必ず完璧な履歴を仕上げているという。
シリーズに描かれることはなくても、
登場人物それぞれにそれぞれの物語がある。
ハリーポッターシリーズを書いている頃は、
読者は自分ほど、この登場人物のことを知らないのだ
ということに常に気をつけていたという。
2022年07月16日
表現者たちの創作術。
「ツインピークス」や「エレファントマン」で知られる
映画監督で現代アーティストのデイヴィッド・リンチ。
カルト映画の巨匠といったイメージを持つ彼の習慣が瞑想。
若い頃から日課としており、
必ず瞑想する時間を一日の中に持つという。
彼の作品が持つ独特の雰囲気からは意外に思えるが、
この習慣が日々の平穏な心と、
創造力の源泉になっているそうだ。