2022年05月28日

執筆者佐藤延夫

Photo by Printexstar

週末はパンを/フォカッチャ

ピザを注文するとき、
生地は、もっちりタイプがいいか。
クリスピータイプがいいか。
好みは分かれそうだが、
ピザの原型と言われるのは、
イタリアのパン、フォカッチャだ。

フォカッチャは
古代ローマ時代から作られてきた平焼きのパンで、
地方によって呼び方が違い、
好みで硬くも柔らかくもできる。

なるほど。
結局は、美味しければそれが正義なのだ。

2022年05月28日

執筆者佐藤延夫

Photo by Christine Wisnieski

週末はパンを/チャバッタ

イタリアの平べったいパン、
チャバッタ。
その意味は、スリッパ。
歴史はさほど古くない。

北イタリアのとあるパン屋が、
失敗して水分が多めになった生地を
そのまま焼いてみたところ
中がしっとりのおいしいパンになった。

というわけで
その後さまざまな工夫が加えられ、
現在のチャパッタが出来上がったそうだ。

外はパリパリ。中はもっちり。
この魅力は、世界共通なのだ。

2022年05月28日

執筆者佐藤延夫

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週末はパンを/ベーグル

ずっしり、もっちりのパン
と言えば、ベーグル。

ベーグルはニューヨークの名物というイメージが強いが、
もともとは17世紀後半に、
東ヨーロッパのユダヤ人が食べていたパンがルーツのようだ。
移民によってニューヨークにもたらされ、
ヘルシー志向のニューヨーカーにヒットした。

ベーグルとパンにはつくり方に大きな違いがある。
ベーグルは焼き上げる前に生地を熱湯にくぐらせて、
表面にデンプンの膜をつくることで
あの噛みごたえのある密度の高い食感ができあがる。

そのままいただくか、水平に切って、
サーモンやクリームチーズを挟んでみるか。
ベーグルの悩みは尽きない。

2022年05月28日

執筆者佐藤延夫

週末はパンを/コロネ

巻き貝のようなパンの中に、
クリームがたっぷり詰まったパン、コロネ。

チョコクリームを入れたものが多いが、
ピーナッツクリームやカスタードクリームの場合もある。

コロネという名前の由来は、フランス語の角(つの)。
または、管楽器のコルネットからきているそうだ。
コルネットもイタリア語で角笛の意味である。

とはいえ、、コロネは日本で生まれた菓子パンなのである。
パンを焼いてからクリームと詰めるので
みずみずしい甘いクリームが口いっぱいに広がる。
あの罪な味をもう一度。

週末に、美味しいパンを。

2022年05月28日

執筆者佐藤延夫

Image by Reinhard Thrainer from Pixabay

週末はパンを/カイザーゼンメル

ドイツで定番のパンと言えば、
カイザーゼンメル。
しかし、もともとはオーストリアの
伝統的な国民食だった。

カイザーとは、皇帝の意味。
名前はえらそうだが、食感はサクッと軽い。
パンの表面にある星形の切れ目が、
皇帝の王冠に似ているから、この名前がついた。

カイザーゼンメルは焼き立てがことにおいしい。
しかし、そのサクサクした食感は、
焼いてから2時間程度でなくなってしまうので
「2時間パン」とも呼ばれているそうだ。

皇帝の賞味期限は、早い。

2022年05月28日

執筆者佐藤延夫

Photo by Duncan Kidd on Unsplash

週末はパンを/フランスのパン

フランスのパンは、およそ3つに分類できる。
ひとつは、バゲットやバタールのような、細長い棒状のパン。
特徴は、クープという切れ込みが入っていること。
ちなみにクープには、パン生地を膨らませたり、
火の通りを良くする効果がある。

ふたつめは、クロワッサンをはじめとした、
バターや油をたっぷり使ったパン。
本場フランスでは、バター100%のクロワッサンは菱形に。
それ以外の油を使ったものは三日月形にすることが多い。

そして最後は、パン・ド・カンパーニュのような田舎風パン。
砂糖もバターも使わないシンプルなパンで
もともとはパリ郊外の人が作り、
市街地まで売りに来たことから、この名前がついた。
別名は、「パン・グランメール」。
おばあちゃんのパン、という意味だ。
サイズが大きめなのは、
1週間分のパンをまとめて作ることが多かったから。
パン・ド ・カンパーニュは焼きたてより冷めた方がおいしく
日持ちがする。

パンの粉をこねるのは経験、熟練、そして根気がいる。
日本のおばあちゃんも囲炉裏で焼いたおやきや草団子を
作ってくれていた。
長野県には、こねつけというご飯と小麦粉でつくる郷土料理もある。
どこの国でも、おばあちゃんは粉をこねるのが得意だ。

週末に、美味しいパンを。

2022年05月22日

執筆者薄景子

星のはなし 水星に刻まれた芸術家

水星の英語名、Mercury(マーキュリー)は、
ローマ神話の神様の名前。
そのクレーターには
芸術家や文学者の名がつけられている。

最大のクレーター名はベートーベン。
ホクサイ、バショウ、ソウセキ、リキュウなど
日本人にちなんだ名前も30個ある。

芸術家たちの高い創造力は、人類の希望となり、
今日も宇宙を照らし続けている。

2022年05月22日

執筆者黒松理穂

星のはなし からす座

「からす座」という星座がある。
モデルは、ギリシャ神話のアポロンに仕えていたカラス。
純白の羽を持ち、言葉も話す賢い鳥だった。

しかし、話を大袈裟にするくせがあり、 
ある日アポロンの恋人が、
他の男といるのを見かけただけで、告げ口をする。
怒ったアポロンは、恋人に矢を放つが、
死の直前、誤解だったと知るのだ。

この悲劇の罰に、カラスは言葉を失い、
羽を黒色に染められ、星座として貼り付けられたという。

春の空に見える、からす座。
その羽は、夜空の黒をまとっている。

2022年05月22日

執筆者石橋涼子

星のはなし 星々が奏でるハーモニー

紀元前6世紀、偉大な哲学者ピタゴラスは考えた。

天体では、星たちが動くことによって
何らかの音が発生しているのではないか、と。
宇宙は、天体の運行が奏でるハーモニーで
満たされているのではないか、と。

この思想は「天球の音楽」と呼ばれている。

そして19世紀。
音楽家ヨーゼフ・シュトラウスが
「天球の音楽」をモチーフに作曲したのが「天体の音楽」だ。

ワルツの反復するメロディ、
エンディングで繰り返される第一章の旋律。
天球の周回運動を思わせる構成とともに、
星々が奏でる壮大で調和のとれたハーモニーを堪能したい。

2022年05月22日

執筆者小野麻利江

星のはなし 大相撲の「星」

さきほど五月場所が幕を閉じた、大相撲。
その取り組みの勝敗を
「白星」「黒星」と
「星」を付けて呼ぶのはなぜか。

それは、相撲が興行として確立された
江戸時代当時、
星座を白い丸と黒い丸の連なりで
表していたため、
丸い印を「星」に見立てたのだ、
という説がある。

来場所の、スターは誰か。
七月がもう楽しみだ。