2022年04月30日
佐藤延夫
映画の眠る場所へ /ライフ・イズ・ビューティフル
1998年公開の映画、ライフ・イズ・ビューティフル。
主人公のグイドとドーラが出会い恋をする前半の物語は、
イタリア・トスカーナのアレッツォ旧市街で撮影された。
ゆるやかに傾いたグランデ広場。整然と並ぶ石畳。
その風景すべてが、映画の世界観そのものに変わる。
監督・主演のロベルト・ベニーニが、
道化師のように走り回る姿が目に浮かぶ。
2022年04月30日
1998年公開の映画、ライフ・イズ・ビューティフル。
主人公のグイドとドーラが出会い恋をする前半の物語は、
イタリア・トスカーナのアレッツォ旧市街で撮影された。
ゆるやかに傾いたグランデ広場。整然と並ぶ石畳。
その風景すべてが、映画の世界観そのものに変わる。
監督・主演のロベルト・ベニーニが、
道化師のように走り回る姿が目に浮かぶ。
2022年04月30日
ベルリンの壁がまだ残る時代。
1987年公開にされた、
ヴィム・ヴェンダース監督の映画、
「ベルリン・天使の詩」には、
ベルリンの名所がいくつも登場する。
戦勝記念塔のモニュメントは、黄金の女神・ヴィクトリア像。
映画の中で、中年の天使が羽を休める場所だ。
国立図書館も、天使たちの住処になっている。
刑事コロンボではないピーター・フォークも、
見どころのひとつだ。
2022年04月30日
レオス・カラックス監督・脚本の映画、「ポンヌフの恋人」。
主人公アレックスの青春三部作、
その最後を飾る作品だ。
ポンヌフとは、新しい橋という意味だが、
実際は、パリで現存する最も古い橋。
撮影は本物の橋で行われる予定だったが、
主演俳優の怪我、関係会社の倒産などのトラブルが続き、
オープンセットが作られた。
あのころのジュリエット・ビノシュをまた見たくなる。
2022年04月30日
わずか1400万ドルという低予算ながら、
アカデミー賞8部門を独占した映画。
「スラムドッグ$ミリオネア」。
主人公のジャマールが、ラティカと再会した場所。
そしてエンディングでダンスをするのは、
ムンバイのチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅。
インドがイギリス領だった時代に建てられた
ヴェネツィア・ゴシック様式の壮麗な駅舎は、
世界遺産にも登録されている。
ゴールデンウィークに、もう一度見たくなる映画だ。
2022年04月30日
20世紀を代表する映画「ゴッドファーザー」。
そのロケは、物語の設定と同様に、
シチリア島で行われた。
印象的なシーンが多いのは、デリ・スキアヴィ城。
マイケルの結婚式の教会もこの付近にある。
「ニューシネマパラダイス」や「グラン・ブルー」も、
撮影の一部は、シチリア島だったそうだ。
ここは、名作に愛される場所。
2022年04月30日
女優オドレイ・トトゥの出世作となったフランス映画「アメリ」。
ついクレームブリュレのシーンを思い出してしまうが、
その舞台となった美しい街並も見逃せない。
パリのモンマルトル。
ピカソ、ルノワール、ユトリロ、ゴッホなど
かつて、名だたる芸術家に愛された街だ。
石畳の敷かれた路地には、
軒先が赤や緑に彩られた店が並ぶ。
「アメリ」の撮影では、セットは一切使用せず、
現地のロケだけで行われたそうだ。
主人公のアメリが働いていた「カフェ・デ・ドゥ・ムーラン」は、
今も営業している。
あの有名なクレームブリュレは、
「アメリのおやつ」というメニューに変わったそうだ。
「人生はなんとシンプルで、明るく、澄み切っていることだろう。
突然、愛の衝動が体に満ちあふれた。」
モンマルトルには、映画に出てくるこの言葉がナチュラルに溶け込んでいる。
2022年04月24日
「この世をば わが世とぞ思う 望月の 欠けたることも なしと思えば」
平安時代中期の権力者藤原道長は
52歳でこんな歌を詠んだ。
この世は自分のためにある
という意味の歌だった。
しかし、月は満ちては欠けるのが常である。
それから10年後、
100%この世に満足していた道長も
自分の病だけはどうすることもできず
苦しみながら死んでいった。
月は満ちて欠け、人は栄えて滅びる。
2022年04月24日
朝の明るい空に浮かんでいる月は
午後になると沈む。
そんな日の夜は
月が見えない夜になる。
月は地球の周りを回っているため、
毎日およそ12度西に移動する。
それによって月の形は変化し、
月が出る時間も沈む時間も変わる。
新月でもないのに月が見えない夜があるのも
日の出前に昇り、日没の前に沈むせいだ。
ちなみに今夜の月の出は午前1時29分。
早起きの人は、明日の朝早く
空のてっぺんに浮かぶ月を見ることができる。
2022年04月24日
日本人は、満月に餅つきをするウサギを見る。
このウサギの見立ては、実はインドの伝説が発祥で、
中国、そして日本へ伝わってきたという。
さらに世界に目を向けると、
インドネシアでは編み物をする女性、
アラビアでは吠えるライオン。
南ヨーロッパの海沿いでは、爪を振りかざすカニ。
東ヨーロッパや北アメリカでは
月の白い部分を顔に見たて
髪の長い女性の横顔を満月に重ねる。
ノルウェーでは男の子と女の子が
バケツを運んでいるのだという。
男の子と女の子が丘を登って水を汲むと、その水が雨になる。
世界のあらゆるところで、何百年、何千年と月を見上げてきた人々の
物語がそこに見える。
2022年04月24日
夜空の月にも、はじまりがある。
地球が生まれるとき、一緒に生まれたという兄弟説。
地球の引力で引き寄せられたという捕獲説。
中でも最有力なのが
地球に他の天体が衝突したときに
飛び散った破片が月になったというもの。
月は45億年前に分かれた地球の分身。
もしそうだとすると、
あんなに遠い空の上で、ひとり寂しがっているかもしれない。
月の物語、月の歌….
私たちはこんなに月が好きなのに。