2023年12月24日

執筆者田中真輝

クリスマスソング考察 「宇宙からのジングルベル」

1965年12月16日。
地球周回軌道を回るジェミニ6号からNASAヘ
移動する物体を目撃したという報告があった。

「待て、何か合図をしようとしているようだ」
という言葉に続いて聞こえてきたのは

ハーモニカと鈴で演奏される「ジングルベル」。

それは世界で初めて宇宙で演奏されたクリスマスソング。
宇宙飛行士からNASAへの洒落たプレゼントだった。

2023年12月24日

執筆者田中真輝

クリスマスソング考察 「ルドルフ」

「真っ赤なお鼻のトナカイさんは」
という歌詞で始まるクリスマスソング
「赤鼻のトナカイ」。
その名をルドルフという。

実はこのルドルフの赤鼻、
サンタのために夜道を照らしている
だけではない。

毎年クリスマスイブに
サンタの居場所を追跡、WEBで公開している
北米航空宇宙防衛司令部、通称ノーラッド。

彼らはルドルフの赤い鼻から放出される「赤外線」を
探知することでサンタを追跡しているのだとか。

クリスマスソングが流れる中、
みんなが小さな赤い光を探して
夜空を見上げる。

2023年12月24日

執筆者田中真輝

クリスマスソング考察 「休戦」

1914年12月24日。
第一次世界大戦中のフランドル地方、
西部戦線。

前線を挟んでにらみ合う
ドイツ軍とイギリス軍。

塹壕に身を潜めていたイギリス軍将校、
チャールズ・ブレーワーは、歌声らしきものを耳にして
顔を上げた。

遠く聞こえてくるのは
ドイツ語の「きよしこの夜」。
やがてそれに呼応するように
英語の「きよしこの夜」が沸き上がる。

翌朝、両軍は塹壕から出て歩み寄り、
記念写真を撮ったり、プレゼントを贈りあったという。

笑顔で別れた両軍はしかし、
日没後再び戦闘を開始する。

2023年12月24日

執筆者田中真輝

クリスマスソング考察 「同じ歌を聞いている」

夜の風が、子羊に言った
わたしが見ているものが、見えますか。

そんな歌詞から始まるクリスマスソング、
“Do you hear, what I hear?”は、
1962年キューバ危機の只中で
作られた。

世界が終わるかもしれない。
そんな恐怖の中で
その曲は人々を勇気づけた。

あなたもわたしも、きっと
同じものを信じられる、と。

2023年12月23日

執筆者波多野三代

Photo by Valentin Vlasov on Unsplash

クリスマスを待つ 「ジンジャーブレッド」

クリスマスを待つ間、作られる人型のクッキー
ジンジャーブレッド。
世界中で愛される、生姜とシナモンが効いた焼き菓子。

だが、その起源は意外にも疫病が深く関わっている。

16世紀、ヨーロッパではペストが猛威を奮っていた。
その予防には生姜が効く、
と聞きつけたイギリスの王ヘンリー8世は
国民に生姜を食べることを推奨した。

人々は国王の知恵に敬意を表し、
ヘンリー8世に似せて生姜入りクッキーを作った。
魔除けのシナモン、ペスト除けの生姜、国民を守る王様の姿。
人々は無病息災を祈り、
ジンジャーブレッドをツリーに飾るようになった。

〜クリスマスを待つ〜

2023年12月23日

執筆者波多野三代

Photo by Beautiful Faces of Berlin

クリスマスを待つ 「ギリシャの断食」

ギリシャではクリスマスを待つ40日間、
断食が行われる。

それは、ギリシャ正教の習慣。
肉や魚、お酒、卵や乳製品までが禁止となり
食べられるものはかなり制限される。

今はまさに、じっと待つ厳粛な祈りの期間だ。
いよいよ明後日、25日を迎えると

煌びやかなクリスマスが幕を開ける。

〜クリスマスを待つ〜

2023年12月23日

執筆者波多野三代

Photo by Elmer Domingo

クリスマスを待つ 「フィリピンのBer Months」

フィリピンのクリスマスを待つ期間は、残暑も厳しい9月から。
12月までの4ヶ月を「Ber Months」と呼ぶ。

街中はクリスマス一色に染まり、
学校や会社では毎週のようにプレゼント交換が行われる。
企業はクリスマス手当を支払う義務を持ち、
長い長い4ヶ月、人々は全力でクリスマスまでの期間を楽しむのだ。

〜クリスマスを待つ〜

2023年12月23日

執筆者波多野三代

Photo by Barcex

クリスマスを待つ 「スペインの宝くじ」

クリスマスを待つ間、
スペインでは24億ユーロをかけた宝くじの抽選が行われる。
その名は「ソルテオ・エクストラオルディナリオ・ナビダ」
別名クリスマス宝くじ。

毎年12月22日になると、抽選が行われ、長い長い中継が始まる。
大きな入れ物に入った番号入りの球を1つ1つ確認していくため
4時間にもわたるのだ。

それは聖なる夜を待つ間の、束の間の夢。

〜クリスマスを待つ〜

2023年12月23日

執筆者波多野三代

Photo by Whitney

クリスマスを待つ 「シュトーレン」

ドイツには伝統的な「クリスマスを待つお菓子」がある。
その名はシュトーレン。

ドレスデン発祥のそのお菓子は、
バターの量が厳格に決められている。
洋酒につけたドライフルーツが練り込まれ、
ずっしりとした生地は
真っ白に砂糖を被っている。
それは白いおくるみに包まれた、幼いキリストを模したもの。

11月末からクリスマスまでのほぼ1ヶ月間、
少しづつスライスしながら食べ、
キリストの誕生に思いを馳せるのだ。

〜クリスマスを待つ〜

2023年12月23日

執筆者波多野三代

Photo by Hillary Ungson on Unsplash

クリスマスを待つ 「ローマのクリスマスリース」

クリスマスが近づくと作られる丸い輪飾り、クリスマスリース。
その起源はキリスト教ではなく、古代ローマにある。

古代ローマでは、新年にさまざまな贈り物をおこなっていた。
その一つが月桂冠に代表される、植物で作ったリースだ。

一年を通じてみずみずしい緑を保つ常緑樹は
相手の健康を願う思いが込められていた。
そしてその思いを受け取ったしるしに、戸口にリースを飾り始めた。
やがて、4世紀に入りローマ皇帝がキリスト教を国教としたことから
リースはクリスマスの習慣へと変化していった。

〜クリスマスを待つ〜