2023年12月02日

執筆者村山覚

カミソリヒストリー #2

きょうは、安全カミソリの日。

18世紀のフランス。
大工さんが木材を削るときに使う
カンナをヒントにして、
刃のすぐ横に木片のガードをつけた
カミソリが発売された。

しかし値段が高価なうえに
微調整や刃を砥ぐメンテナンスが
かなり大変だったようで…。

安全かつ手軽なカミソリが普及するのは、
もっとずっと後のこと。

2023年12月02日

執筆者村山覚

カミソリヒストリー #3

きょうは、安全カミソリの日。

バーバーズジンというお酒があるのを
ご存知だろうか?
18世紀、イギリスの床屋では
アフターシェーブローションとして
髭剃り後の顔にジンを塗りたくっていた
という記録がある。

当時のイギリスは、
法律で規制しなければいけないほど
ジンを飲むことが大流行だったそうだが…。

シェービングをする人もされる人も、
酔っ払うことなく安全第一で。

2023年12月02日

執筆者村山覚

カミソリヒストリー #4

きょうは、安全カミソリの日。

織田信長は当時としては貴重な西洋カミソリで
頭のてっぺん・月代(さかやき)
剃っていたという逸話がある。

切れ味の良いカミソリは
位の高い武将や僧侶しか入手できず、
下級の武士は毛抜きで髪を抜いたので
兜をかぶる時にも頭皮が痛くて大変だったらしい。

日本中にカミソリが行き渡るのは江戸時代以降。
刀の需要が減った鍛冶屋がカミソリ、包丁、
ハサミなどを作るようになった。
切れ味鋭い技術は、今なお各地で継承されている。

2023年12月02日

執筆者村山覚

カミソリヒストリー #5

きょうは、安全カミソリの日。

数年前、未曾有のウィルスによって人々の行動が制限され、
世界中がマスク不足におちいっていた頃、
「コロナ髭」という言葉が生まれた。

自宅に篭ってリモートワークをすることになった男たちが
髭をのばし、ビデオ会議の画面に映る「自分の新しい顔」に
まんざらでもない表情を浮かべていた。

一方で、長く伸ばしすぎた顎ひげは

マスクに隙間をつくってしまうことも指摘されていた。
衛生という観点でも、髭はこまめにシェービングしたほうが
よさそうだ。

もう一つ余計なお世話を。
安全カミソリの替え刃は、2週間程度で替えましょう。

2023年12月02日

執筆者村山覚

Photo by tyoro

カミソリヒストリー #6

きょうは、安全カミソリの日。

世界で使われているカミソリ用の鋼の半分以上は、
メイドインジャパン。それは、島根県のヤスキハガネ。

古くから日本刀や包丁に使われてきた
ヤスキハガネは、切れ味のよさと耐久性が特徴。
T字カミソリの替え刃だけでなく、
電動シェーバーにも採用されている。

日本生まれの切れ味が世界各国へ、
さらには南極の基地や宇宙ステーションでも、
人々の身だしなみを整えている。

まさに、切っても切れない生活必需品。

2023年12月02日

執筆者村山覚

カミソリヒストリー #7

日本人は髭が好きな民族かもしれない。

「古事記」には髭を長くのばしたスサノオノミコトが登場するし、
聖徳太子の時代にも髭はステータスの証だった。
鎌倉、室町の頃には武士だけでなく僧侶や職人も髭をのばし、
髭がない者を臆病者とからかった、という話も残っている。

江戸時代になると幕府は髭禁止令を出した。
武士は4日ごと、町人も7日に1回は頭髪と髭を剃るべし。
明治時代、ちょんまげを切って洋服を着るようになると、
日本中で再び髭ブーム。大正、昭和と時が流れ、
海外との戦争が激化すると、軍人と政治家以外は髭を剃った。

戦後、高度経済成長を牽引したニッポンのサラリーマンは、
毎朝剃る人が多数派。長髪や無精髭は反体制の証だった。
21世紀は職業や年齢に関係なく口髭や顎髭をのばし、
個性溢れるスタイリングを楽しむ人が増えた。

古今東西、長く伸びた髭がステータスシンボルの時もあり、
きれいさっぱり剃ることが求められた時もある。
カミソリは、切れ味の良さと安心感という相反することを
なんとか両立させながら、いまも進化し続けている。

きょうは、安全カミソリの日。

2023年11月26日

執筆者澁江俊一

キノコがおしえてくれること 『バカの可能性』

キノコがくれる未来の話。

高級食材として愛される
マツタケによく似た
「バカマツタケ」という
食用キノコをご存じだろうか?

松林ではなく広葉樹林に生えるため
バカと呼ばれてしまっているが
マツタケよりマツタケの香りが強く
しかもマツタケにはできない
人工栽培ができると期待されている。

限りない可能性に満ちた
バカなのだ。

2023年11月26日

執筆者澁江俊一

キノコがおしえてくれること 『地球のバランス』

キノコがくれる未来の話。

植物が有機物を生産する役割なら
キノコはそれを還元する役割。
有機物を分解し
水と二酸化炭素に戻してくれる。

数億年の間に
植物が大繁殖したり
巨大隕石が衝突したり
地球のバランスが壊れる時
それを救うのはいつもキノコだった。

人類の大繁殖により
バランスが壊れた今の地球を見て
キノコは何を思うのだろうか?

2023年11月26日

執筆者奥村広乃

Photo by Rwanda Green Fund

キノコがおしえてくれること 『おいしいヒーロー』

キノコがくれる未来の話。

世界的な人口増加によって
食料不足が問題となっている。

少し前からスーパーマーケットでは
コオロギチップスを見かけるようになった。
植物由来のハンバーガーや
ソーセージを提供するカフェも増えている。

キノコは、食料問題の
ひとつの答えになりそうだ。

あるキノコの胞子から
タンパク質を豊富に含む食品ができるのだ。
それを加工した代替肉は
コストが安く
食感にすぐれているという。

キノコ栽培に太陽はいらない。
牧場のように広い土地もいらない。
大都市の地下にキノコ工場をつくることもできる。

そして何よりおいしくなる
可能性をひめている。

食糧危機を救うヒーローは
やっぱり
おいしいほうがいい。

2023年11月26日

執筆者磯部健多

Photo by aomorikuma

キノコがおしえてくれること 『毒にも薬にもなる』

キノコがくれる未来の話。

日本で採れるキノコのうち、
食べられるものは約100種。
毒性を持つキノコは約200種と、倍もある。

そんなキノコの毒を有効活用しようと、
研究が進んでいる。

例えば、ツキヨタケ。
普通に食べてしまうと、
消化器系の中毒症状が現れるのだが、
その毒性は抗がん剤として活用できる可能性がある。

文字通り、毒薬変じて薬となる、か。